名牝エネイブルで凱旋門賞を連覇するなど、多くのビッグレースを制してきたランフランコ・デットーリ騎手(51)とジョン・ゴスデン師(71)の蜜月関係に、終止符が打たれることになった。24日、両者が会談し、ゴスデン師が声明を発表した。

「レーシングポスト」電子版によると、ゴスデン師は「フランキーと私は友好的に調教師と主戦騎手という関係を休養することに決めました。ただ、私たちはこれからも友人であり、同僚のままです。フランキーも私もここでは家族の一員です。だから、ロイヤルアスコット開催後の休暇から彼が戻り、顔を合わせて話したいと思っていました。(現時点で)私はクレアへヴン(ゴスデン厩舎)に主戦騎手を置くつもりはありません」とコメントしている。

厩舎の主戦ジョッキーとして、デットーリ騎手を起用してきたゴスデン師だが、ロイヤルアスコット開催で精彩を欠いたデットーリ騎手に対し、ゴスデン師が公然と騎乗を批判(アスコットゴールドカップで3着に敗れたストラディヴァリウスの騎乗など)。今週末のニューマーケット競馬場でゴスデン厩舎の管理馬にデットーリ騎手が騎乗しないことが現地メディアで大きく報じられ、両者の関係性に変化が生じるとみられていた。

近年の「デットーリ騎手&ゴスデン厩舎」の快進撃は、ゴスデン厩舎で主戦だったウィリアム・ビュイックがゴドルフィンの主戦騎手になった15年から始まった。同年の英ダービー、凱旋門賞をゴールデンホーンで制覇。凱旋門賞連覇などG1を11勝した名牝エネイブル、英チャンピオンS連覇のクラックスマン、ジャックルマロワ賞連覇のパレスピア…、近年の欧州競馬に欠かせない名コンビだった。

蜜月関係ではなくなったが、今後ゴスデン厩舎の馬に乗る可能性がなくなったわけではなく、ロイヤルアスコット開催のコロネーションSを快勝した無敗の最強牝馬インスパイラル、英オークス2着で凱旋門賞の有力候補になっているエミリーアップジョンがデットーリ騎手の継続騎乗となるのか、乗り替わりになるのか、しばらくは注目が集まりそうだ。