<担当記者:ちょっといい話>

宝塚記念ウイークの24日金曜日の函館競馬場。横山和生騎手にタイトルホルダーの取材をしながら、2年前も函館で宝塚記念の取材をしたことを思い出した。20年のG1騎乗はトーセンスーリヤと挑んだ宝塚記念だけ。それも17年ホープフルSでトーセンクリーガーに騎乗して以来、約2年半ぶりのG1騎乗だった。当時、駆けつけた美浦の最終追い切り後、公式会見を行った。インタビューを受けた鞍上に感想を聞くと「緊張したよ~」と笑った。そんな鞍上が、2年後にファン投票1位の馬で自身のG1・2勝目を手にした。

ファン投票1位の話を振ると、まず始めに「馬がすごいよ」と言った。取材していても馬のことをよく考えていることが伝わるジョッキー。この馬はこんな馬なんだと細かく話してくれるのを聞くのは楽しく、勉強になった。

スポーツ紙では「人」にスポットが当てられることは多いが「僕の話はいいから、馬の話を聞いてほしい」と口酸っぱく言われたこともいい思い出だ。「(ファン投票1位に加えて)結果も1位ならいいんだけどなあ」という希望通りの快勝。レース後には4万人を超える観客の前でタイトルホルダーを指さし、パートナーをたたえた。その行動に、横山和生らしさが表れていたように思う。【中央競馬担当 三嶋毬里衣】