父キズナ、母キズナ2のオールアイズオン(牡、蛯名正)が美浦トレセンで順調に調整されています。ゲート試験には合格し、今朝(12日)は元気に美浦の坂路を駆け上がりました。調教にまたがる津曲助手は「調教で速いところをやるのはこれからですけど、いい馬だと思いますよ」と好感触です。

母のキズナ(正式にはキズナ2)はアイルランド生まれのハリケーンラン産駒。ナカヤマフェスタを所有した和泉信一オーナーの息子、憲一オーナーがトニー・クラウト師(凱旋門賞に遠征したナカヤマフェスタの滞在先がクラウト厩舎)との縁を大事にしようと、フランスのアルカナ社セールで購入した馬でした。現役時代は12戦2勝。12戦中11戦で手綱を握ったのが、現在はアメリカでトップジョッキーとなっていて、当時はクラウト厩舎の見習騎手だったファビアン・プラでした(19年にカントリーハウスでケンタッキーダービー制覇)。

和泉家とクラウト厩舎の絆を意味するキズナ。同じ世代で日本のダービーを制したのが、キズナです。こちらは日本を代表するオーナーブリーダーのノースヒルズが生産したディープインパクト産駒。東日本大震災後、多くの日本人の心をつなげた絆が由来です。

ナカヤマフェスタの花嫁候補だったキズナは来日し、「キズナ2」になりました。持ち込みだった初子のローズギフト(父シユーニ)、2番子ピースサイン(父ナカヤマフェスタ)は未勝利ですが、3番子のボーンジーニアス(牡4、小西、父ナカヤマフェスタ)は昨夏の新潟で初勝利を挙げ、現在は3勝クラスに在籍。4番子のビーウォーター(牡3、小西、父マクフィ)も現在3戦連続2着で初勝利まであと少しです。

5番子で、父がキズナになったオールアイズオンを管理するのは、凱旋門賞でナカヤマフェスタの鞍上を務めた蛯名正義調教師です。父と母がまったく同じ名前(英字はKIZUNA)という不思議なプロフィル。オールアイズオン=「みんなの注目、衆目」と名付けられた黒鹿毛馬のデビューが待ち遠しいです。【極ウマPOG取材班】