出世レースを制するのはどの馬だ。札幌2歳S(G3、芝1800メートル、3日)の最終追い切りが8月31日、札幌競馬場で行われた。「追い斬り激論」では、大阪・奥田隼人記者がサトノダイヤモンド初年度産駒で当世代新馬勝ち第1号のダイヤモンドハンズ(牡、池江)を、東京・井上力心(よしきよ)記者は東京新馬戦を快勝したシャンドゥレール(牡、国枝、父エピファネイア)をプッシュした。

井上 いよいよ札幌ラスト重賞。土産代をもうけて帰るぞ。さあ、追い切りは?

奥田 ダイヤモンドハンズが目立っていましたね。芝コースで福永騎手が乗って4ハロン55秒9-12秒8(馬なり)。サトノダイヤモンドの子らしくスラッとしてバランスのいい馬体をしています。走りも伸びやかでスケールの大きさを感じます。

井上 ただ、ディープモンスター(古馬オープン)に最後まで追いつかず1馬身遅れ。ちょっとギアチェンジに時間がかかっていたのが気になるなあ。

奥田 ご心配なく。栗東の1週前追い切りでしっかり負荷をかけ、もともと調整程度の予定でした。福永騎手も「ストライドが大きい馬で、ゴールしてからエンジンがかかってた」と笑っていたくらいです。

井上 確かにゴールしてからの方が伸びが目立っていたよね。

奥田 新馬戦でも乗っていますが、あらためて特徴を確認できたのは大きいと思います。「マイルは流れに乗るのが忙しかったし、距離は(父が菊花賞を勝った)3000メートルあってもいいくらい。いい馬だしここを勝つようなら楽しみ」と期待度は高いですね。

井上 僕はシャンドゥレールが全馬の中で一番よく見えた。

奥田 ダートで5ハロン68秒8-12秒6。ベロア(3歳未勝利)を並ぶ間もなく2馬身抜き去りましたね。

井上 すごく反応が鋭くなっているように感じたし、馬体に締まりが出て見栄えがいい。根岸助手も「自分から動いて無理せず楽に抜けられました。だいぶ緩さが抜けて性格も大人になり、体つきも良くなっています」と成長に目を細めていた。

奥田 どちらも長くいい脚を使えるタイプ。馬場がボコボコで未知数な面はありますが2頭ともこなせそうな感じはしますね。

井上 そうだね、馬場傾向もしっかり見極め、がっつり稼いで帰ろう!