昨年の凱旋門賞馬で、バーデン大賞連覇を狙ったトルカータータッソ(牡5、M・ヴァイス、父アドラーフルーク)は頭差の2着に敗れた。

勝ったのはメンドシーノ(牡4、S・シュタインベルグ、父アドラーフルーク)。4頭立ての最後方を進み、独ダービー馬サンマルコ、トルカータータッソを外から豪快に差し切った。勝ちタイムは2分38秒71。3着がG1・3連勝を狙ったサンマルコ。最下位4着が昨年の独ダービー2着馬アルターアドラーだった。

メンドシーノの鞍上はレネ・ピーヒュレク。トルカータータッソの主戦騎手だが、この日はオーナーと優先騎乗契約を結ぶメンドシーノに騎乗し、トルカータータッソの鞍上はフランキー・デットーリ騎手が務めた。

メンドシーノは昨年のバイエルン大賞でアルピニスタ(G1・5連勝中の英国牝馬)の2着に入ったのが、これまでのG1の最高成績。今年はここまでフランスで3戦未勝利。6月にG2シャンティイ大賞で5着に敗れて以来、久々のレースだったが、地元ドイツでうれしいG1初制覇となった。バーデン大賞は凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)のドイツにおけるステップレース。メンドシーノは凱旋門賞にも登録を行っており、参戦する可能性が出てきた。

レーシングポスト電子版によると、メンドシーノを管理するシュタインベルグ師はピーヒュレク騎手の恋人。ピーヒュレク騎手は「彼女(シュタインベルグ師)は毎日、彼(メンドシーノ)に乗っていて、すごく彼のことをわかっています。僕は最後の2回、調教に乗っただけです」とその仕事ぶりを絶賛。凱旋門賞に向けては「私はオーナーと契約を結んでいるので、彼(メンドシーノ)に乗らなければいけないし、そのために今日は彼に乗りました。3カ月の休み明けだったので、今後の馬の状態を見るべきでしょう」と話している。一方、敗れたトルカータータッソのデットーリ騎手は「フランス(凱旋門賞)は緩い馬場と厳しいペースになれば、この馬の競馬ができるでしょう」とコメントしている。

バーデン大賞の結果を受け、大手ブックメーカー各社は凱旋門賞連覇を狙うトルカータータッソの単勝前売りオッズを9~11倍に下方修正。バーデン大賞を勝ったメンドシーノに対しては「ラドブロークス」が41倍、「コーラル」「ウィリアムヒル」が51倍のオッズをつけている。