土曜メインは秋の東京開催開幕を告げる2歳重賞、サウジアラビアRC(G3、芝1600メートル、8日)が行われる。17年ダノンプレミアム、18年グランアレグリア、19年サリオスと3年連続で後のG1馬を輩出した出世レースだ。福島での新馬勝ちから臨む素質馬フロムナウオン(牡、手塚)は、近親にグランプリボスがいる巨体のモーリス産駒。広い東京で本領を発揮する。

大物フロムナウオンが無傷の2連勝と重賞制覇に挑む。7月3日福島の新馬戦は536キロで出陣。1番人気に推されたが、ゴール前の際どい勝負を鼻差で制す辛勝デビューになった。小回りのコーナーでなかなか加速せず、短い直線で何とか差し切るレースぶり。レース後の手塚師は「福島は向いてないなあ。次は東京に行きます」と苦笑いだった。

年長馬相手に調教の動きが話題になっていた素質馬。その調教内容はすごみを増している。新馬戦前の追い切りはアルビージャ(古馬オープン)、ソネットフレーズ(同日のラジオNIKKEI賞4着)と併せていた。今回は2週前、1週前とG1馬シュネルマイスター、マイネルファンロン(京都大賞典出走予定)の2頭を相手に美浦ウッドで互角の動き。「期待も込めてやっていますから」と手塚師も認める好素材だ。

登録は10頭で少数精鋭の一戦。「調教はしっかりやってきた。大型馬で福島のコーナーはずぶい面を見せたし、広いコースになるのはいいと思います。ヨーイドンの展開になった時にどれだけ対応できるかも見たい」。母アドマイヤキュートはダートで3勝を挙げたが、1歳上の半兄は10年朝日杯FS、11年NHKマイルCのG1・2勝を挙げたグランプリボス。血統的にも期待は大きく、結果次第では2歳王者の座が見えてくる。【木南友輔】

◆ノーザンファーム強し サウジアラビアRCは18年グランアレグリア、19年サリオス、20年ステラヴェローチェ、21年コマンドラインと生産者のノーザンファームが4連勝中。7頭立てで同ファーム3頭出しの昨年は2着ステルナティーア、3着スタニングローズと上位を独占した。今年はノッキングポイントとの2頭出し。

◆サウジアラビアRCの1戦1勝馬の成績 現レース名となった15年以降は17年ダノンプレミアム、18年グランアレグリア、19年サリオス、20年ステラヴェローチェ、21年コマンドラインと5年続けて勝利。2着も17年を除き6回を数える。