3番人気デルマソトガケ(牡)がゴール前で差し切り、3連勝で重賞初制覇を果たした。勝ちタイムは1分43秒3。音無秀孝調教師(68)はこのレース初制覇、松若風馬騎手(27)は地方重賞初制覇がJpn1制覇となった。

満面の笑みで引き揚げてきた松若騎手のガッツポーズが会心のレースを物語っていた。「好位には付けたいと思っていた。前半ペースも流れていたので向正面ではいい位置にいるなと思っていた」。道中は中団。先に抜け出したペリエールを目がけて追い出すと、直線で内から伸びてきたオマツリオトコを差し切り、頭差で勝利した。「輸送があってもどっしりしていた。馬から勇気をもらいました」。デビューからコンビを組み信頼関係を築いてきたデルマソトガケを2歳ダートチャンピオンに導いた。

音無師は「先週の追い切りが自己最速。すごく期待していた」と振り返った。今後は海外遠征を明言。「サウジに行きたいねと話していたので、そうなるとそこまで使わないよね」と師。次走は2月25日キングアブドゥルアジーズのサウジダービー(G3、ダート1600メートル)、その後は3月25日メイダンのUAEダービー(G2、ダート1900メートル)に転戦の予定。またケンタッキーダービー挑戦も示唆した。【牛山基康】

◆デルマソトガケ▽父 マインドユアビスケッツ▽母 アムールポエジー(ネオユニヴァース)▽牡2▽馬主 浅沼広幸▽調教師 音無秀孝(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 6戦3勝(うち地方1戦1勝)▽総収得賞金 5973万4000円(うち地方4200万円)▽馬名の意味 冠名+外掛け。相撲の決まり手の1つ

 

■左回り苦手か

2番人気のオマツリオトコは頭差2着の惜敗に終わった。道中好位のインで運ぶと、直線は脚を伸ばし、前2頭の間を割って先頭へ。あと1歩のゴール寸前で勝ち馬にかわされた。横山武史騎手は「返し馬から左回りが得意そうではなく、2走前を見てもバランスよく走れていないなと。その不安がモロに出てしまった。ただ、地力は間違いなくあります」と、敗因を口にしながらも前を向いた。

 

●勝負服

<ペリエール=3着>福永騎手 上手に運べていた。無理して動いたわけではないけど、最後ちょっと止まってしまった。

<ヒーローコール=4着>笹川騎手 かなり力があって乗り味もいい。スケールの大きい馬で、逆に川崎の小回りでよく走れているなと思う。

<マルカラピッド=5着>小沢騎手 行き脚がついてプレッシャーもなく、リズムよく直線を迎えられた。これから気持ちの面も成長してくれると思う。