東西のスターホースが激突! G1馬3頭が集う京都記念(G2、芝2200メートル、12日=阪神)の追い切りが8日、東西トレセンで行われた。恒例の「追い斬り激論」では東西本紙担当2人がクラシック勝ち馬2頭をピックアップ。東京の松田直樹記者は21年の年度代表馬エフフォーリア(牡5、鹿戸)を推し、大阪の太田尚樹記者は昨年のダービー馬ドウデュース(牡4、友道)をプッシュした。

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太田 前振りに行数を割くのがもったいないぐらいの豪華対決やし、さっそく本題に入るわ。エフフォーリアの復活はあるん?

松田 あります。調教でもともと動く馬ですが、すごく滑らかでした。ウッドで5ハロン68秒3-12秒0。マイネルミュトス(古馬3勝クラス)に2馬身先着。調教で初めてブリンカーを着けた昨夏の宝塚記念時は「動かした」感がありましたけど、その感じが今回はなくなりました。

太田 不振脱出に手間どっとる印象があるけど…。

松田 前走が復調を感じる5着で、たたいた上積みが動きにも取材感触にも出ています。横山武騎手はズブさを課題に挙げた前走時より「徐々に良くなっている」と証言。鹿戸師も「やる気になっている。数字はそこまで変わらないけど、見た目に張りが出た」と良化を強調していました。

太田 去年続けて2度も大敗した阪神ってのも気になるわ。

松田 宝塚記念以前は調教を前半の時間帯で行っていましたが、前走以降は後半へ。馬場入り前後の運動時間をたっぷり確保する狙いです。鹿戸師いわく「朝一番だと次の組もあるし、せかせかしちゃうから。じっくりと時間をかけるように」。プールも取り入れています。さらに今回は木曜に移動して金土は栗東で乗り、日曜に阪神へ。「当日輸送の方がいいし、この時期は雪も怖いから」(鹿戸師)とのことで、復活を期して変化を求めました。

太田 俺はドウデュースの方が信頼できるな。フランスの2戦はやっぱり馬場が悪すぎた。それでもダメージは小さくて、友道師いわく「ジャパンCでも使えそうな感じ」やったけど、無理せずに今年まで待って、まさに順調そのものや。

松田 友道厩舎といえば当週は馬なりが多い印象ですが、ポリトラック6ハロン82秒2-11秒2で、直線は追われてましたね。

太田 武豊騎手から「しまいだけやっておいてほしい」とオーダーがあったらしい。先週の追い切り(Cウッド6ハロン80秒3-11秒2)に乗って「もともと調教でもタイムが出るし、いい動き」と評価した上で「休み明けで仕上がりきっている感じではなかった」とも指摘しとったから。

松田 大目標は次のドバイターフですよね。たたいて良くなるイメージも…。

太田 そこで、この“ひと追い”が効くはずや。相変わらずの豪快な脚さばきやったし、友道師も「最後の反応も良かった。これで初戦としてはいい感じで臨めると思う」と合格点をつけとった。去年の初戦やった弥生賞も不利があっての首差2着やし国内では凡走がない。心配は無用。そして前振りもオチも不要や。

松田 変化を求めてきましたね…。

◆ダービー馬の京都記念 1948年・春にマツミドリ(47年ダービー馬)が勝った後、昨年のマカヒキ(16年ダービー馬)まで13頭が出走しているが、勝利馬はいない。1番人気に推された18年レイデオロ(17年ダービー馬)も3着に敗れた。ドウデュースが勝てば75年ぶりのダービー馬Vとなる。※京都記念は83年まで春・秋の年2回実施