今月いっぱいで現役を引退し、3月に調教師に転身する福永祐一騎手(46)が19日、東京競馬場での国内最終騎乗後にインタビューに臨んだ。最終レース終了後にもかかわらず、多くのファンが競馬場に残ってJRA通算2636勝(G1・34勝)の名手の言葉に耳を傾けた。福永騎手は時折、声を詰まらせながら27年間の騎手人生を振り返り、ファンへの感謝の思いを伝えた。ジョッキー生活最終日となる25日はサウジアラビアで騎乗予定。引退式は3月4日に阪神で最終レース終了後に行われる。一問一答は以下の通り。

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-今の気持ちは

福永騎手 最終レース(ゲンパチプライド=3番人気5着)もたくさんの方々に単勝を購入していただいて、支持していただいたんですけど、まずはそこで結果を残せなかったので、申し訳ない気持ちでいます。

-国内最終騎乗日。特別な意識はあったか

福永騎手 1レースから本当に多くのお客さんに来ていただいて、G1ということもありましたし、自分の日本での最終騎乗をたくさんのお客さんの前で終えることができて、非常に幸せな気持ちになりました。

-9RヒヤシンスSを1番人気ペリエールで勝利した

福永騎手 1番人気に支持された3歳馬で未来のある馬ですが、次は自分が乗ることができないという状況にもかかわらず、依頼をくださったオーナーをはじめとする関係者のみなさまの思いをうれしく思いました。だからこそ、一番いい結果で応えないといけないという思いで、近年の中では一番、プレッシャーがかかる一戦でした。

-花束をくれた先輩騎手(柴田善、武豊)からは壇上でどんな声をかけられたか

福永騎手 「順番が違うだろ」と言われました(笑い)。自分も結構いいおじさんなんですけど、自分よりおじさんの2人に花束をもらうのが複雑な気持ちではありました。まだまだお二方はお若いですし、バリバリ騎乗されていますしね。(柴田)ヨシトミさんとはサウジアラビアで同じレースで最終騎乗できます。先にこういう形になったので複雑ですが、依頼できるような馬をつくりたいと思いました。

-東京の思い出は

福永騎手 たくさんの経験を、とりわけダービーでさせていただきました。悔しい気持ちも、うれしい気持ちも、感動もダービーの舞台が自分に大きな経験を与えてくれたので。ここの競馬場でG1を勝つというのは、(レース後に)帰って来る時にたくさんの方に迎えられる形になるので、本当に最高なんですよね。ジョッキーの醍醐味(だいごみ)の1つというか、大きなやりがいを東京競馬場とみなさんに与えていただきました。本当にありがとうございました。

-初の重賞勝ちは東京

キングヘイローで、東京(スポ杯)3歳S(97年=現東スポ杯2歳S)でした。鮮明に覚えています。

-ダービーも3回勝った。見える景色は変わったか

福永騎手 変わらず最高でした。お客さんがいない時もありましたし、無観客のダービーもありましたけど、それでも…。最高でした。最高のジョッキー人生でした。

-東京では230勝。うちG1は13勝

福永騎手 本当に多くの勝利を与えていただきました。どの競馬場でもたくさんのお客さんがいて、改めて日本の競馬は最高だなと今日、G1のファンファーレのときのお客さんの拍手を聞いて思いました。