3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)が19日、東京競馬場で国内最後の騎乗に臨んだ。

師匠も万感の思いだった。福永騎手の国内最終騎乗日の東京競馬場。デビューから10年間、所属厩舎先だった北橋修二元調教師(87)が駆けつけた。愛弟子による騎手として国内ラストライドを目に焼き付けた。「(福永騎手の)お母さんも来ていたしね。お父さんも喜んでくれていると思う」と、福永家とともに喜んだ。

最終12Rを終え、国内最終騎乗後のセレモニーにも参加した。北橋厩舎時代の厩舎服を着用した福永騎手の隣で写真に納まると、笑顔で談笑した。「感動しましたね。お客さんもこんなに残ってくれましたから。びっくりしました」。心を動かされたのは福永騎手と同じだった。

弟子はサウジアラビアでジョッキー人生を締めくくった後、調教師の道を歩み始める。「調教師として、前に進んでいって欲しいですね」とエールを送り、短い言葉に期待を込めた。騎手として一人前に育った教え子を見届けた師匠の表情は、どこか誇らしげだった。【阿部泰斉】