【リヤド(サウジアラビア)23日=藤本真育】2月いっぱいで騎手を引退する福永祐一騎手(46)が、25日のサウジアラビア国際競走でラスト騎乗を迎える。3回連載「福永祐一 in Saudi ラストステッキ」の第2回は、公式会見に臨んだ様子をリポート。初見参のキングアブドゥルアジーズ競馬場を視察し、有終Vへ手応えを深めている。

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いつも通りリラックスした表情だった。福永騎手は晴れやかな公式記者会見の席上で、世界的名手のデットーリ騎手、モレイラ騎手と再会した。笑顔で握手をし、言葉をかわす。そんな世界のトップジョッキーたちと競い合うのも最後になる。

福永騎手 (デットーリ騎手と)最後に一緒に乗れるのはうれしい。スーパースターやからね。サウジで最後なんて想像もしていなかったけど、こういう大きなレースで最後を飾れるのは光栄なこと。日本のファンの前で乗れないのは申し訳ない気持ちがあるけど、画面越しに多くのファンが応援してくれていると思う。いい結果を出したい。

27年間の騎手人生でさまざまな経験を積んできた。キングアブドゥルアジーズ競馬場のダートコースは初めてだが、これまで米国やドバイなど海外での騎乗経験は豊富。前日22日にはダートで追い切ったエコロアレスとヴァンドギャルドの鞍上で馬場の感触も確かめた。有終Vへ向け、準備は整いつつある。

福永騎手 (砂質は)少し深めな感じ。アメリカやドバイよりも深いイメージかな。明日、明後日も馬場を確かめるつもりだけど、締まっている感じはない。適性があれば勝負できると思う。今年はサウジダービーもリヤドダートスプリントも強い馬が出てくるけど、日本の馬の能力は高いからね。楽しみにしている。

きょう24日には再び2頭の調教にまたがる予定。ラストライドまで残り2日。いよいよジョッキーとして最後の時が近づいてきた。(つづく)

■デットーリ「グッドラックを願っている」

世界的なトップジョッキーで今年での引退を表明しているランフランコ・デットーリ騎手(52)が23日、キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われた公式記者会見に出席した。そこで福永騎手と再会。「調教師になる」と聞いて驚いた表情を浮かべ「ユーイチとは長い間一緒に乗ってきたし、さみしい気持ちはある。彼が引退するには若すぎる。調教師としてグッドラックを願っている」とエールを送った。

◆福永騎手の海外重賞勝利 エイシンプレストンで01年香港マイル、02・03年クイーンエリザベス2世C連覇。シーザリオで制した05年アメリカンオークスは日本馬初の米国G1勝利。14年ドバイデューティフリーをジャスタウェイで勝ち、通算5勝(すべてG1)