先週のサウジアラビア国際競走で現役最後の騎乗を終えて騎手を引退し、1日に調教師に転身した福永祐一師(46)が4日、阪神11Rチューリップ賞で誘導馬に騎乗して出走馬を先導、最終レース終了後には引退式を開催。節目を迎えた名手について、騎手時代に取材した日刊スポーツの担当記者が「思い出」を記した。

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私がよく福永騎手を取材していたのは09~17年くらいか。毎週木曜の一番の楽しみだった。いつも勉強になる話をたくさんしてくださり、取材を終えたら1時間以上たっていることはザラ。取材後はいつも足がビリビリにしびれ、しばらく立てなかった。

父洋一さんが天才ジョッキーなら、祐一騎手は努力の天才だ。「俺は(デビュー当時)ド下手やったから」と言うのをうのみにすれば、たゆまぬ努力でここまで来た。私が現場にあまり行けなくなってからは、なんとダービーを3勝。もう異次元のところへ行ってしまった…。

10年ほど前か。騎乗馬の取材がいつの間にか馬の講義になり、あまりに面白すぎてつい「福永厩舎の馬、絶対走りますよね」と言ったら笑われた。当時から調教師になって大活躍する姿が容易に想像できた。思ったよりも実現が早かったけど、今はさみしさより楽しみが勝る。全力で応援します!

【中央競馬担当=平本果那】