今月25日にメイダン競馬場で行われるドバイ国際競走には、日本から17頭のG1勝ち馬を含む27頭が6つの高額賞金レースに出走。メインのG1ドバイワールドCにはサウジCを制したパンサラッサも出走を表明して、8頭もの日本馬がゲートに並びます。

この大移動の陰に隠れて目立ちませんが、今年のドバイには香港からも最大で5頭が参加することになっています。

その顔ぶれは芝2410メートルのG1ドバイシーマCを目指すロシアンエンペラーとセニョールトーバ、香港のお家芸である短距離戦のG1アルクオーツスプリント(芝直線1200メートル)に向かうサイトサクセスとスカイフィールド、それに5日のデボンHを勝って現在、招待待ちのデュークワイの5頭です。

距離の長いレースを走る2頭は、一足先に香港を飛び出して、カタール経由でドバイ入りしました。

エース格のロシアンエンペラーは2月18日にカタールで行われたG1エミールトロフィー(芝2400メートル)に優勝、4日にメイダン競馬場で行われたG1ジェベルハッタ(芝1800メートル)は5着でしたが、距離が延びる本番での巻き返しが期待されています。

ガリレオの産駒で20年のG1英ダービー(7着)に出走したこともあるロシアンエンペラーは香港に移籍後、昨年2月のG1香港ゴールドC(芝2000メートル)で王者ゴールデンシックスティを3着に下し、5月のG1チャンピオンズ&チャターC(芝2400メートル)にも優勝した実力馬ですが、芝2400メートルの重賞がシーズンに3つだけと、適鞍の数が極端に少ない香港では活躍の場が限られていました。

短距離重賞に向かう馬も含め、今年の成績いかんで香港勢の海外挑戦にも弾みがつきそうです。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)