約3年間の整備工事を終えた京都競馬場の新スタンド内覧会と竣工(しゅんこう)式典が10日、行われた。

2025年の開設100周年にちなんで「100年の、100周年の」の英語から「センテニアル・パーク」の愛称が付けられた新装京都競馬場。内覧会では、その全貌が報道陣に公開された。

パドックは従来の円形から楕円(だえん)形に生まれ変わり、スタンド各フロアから馬の歩様が見やすい形に。2階には360度パドックを取り囲む「パドックリング」が新設され、より多くのファンが出走馬を間近でみられるようになった。

「グランドスワン」「ビッグスワン」の愛称で親しまれたスタンドは新スタンド「ゴールサイド」と、旧ビッグスワンが生まれ変わって「ステーションサイド」に新装。座席の間隔を広く取り、快適でゆっくり過ごせるスタンドとなっている。

場内には「三冠メモリアルロード」も新設。京都競馬場は菊花賞、秋華賞が行われるため、3冠馬が生まれる場所でもあり、歴代の牡牝14頭の像を見ることができる。

競馬場の入場にはQRチケットが採用され、馬券の購入はUMACA投票が中心になるなどキャッシュレス化。従来より利便性アップが図られている。総工費はスタンドや馬場、厩舎などを含め約880億円。

竣工式典にはや西脇隆俊京都府知事、門川大作京都市長ら関係者が約280人出席。JRAの後藤正幸理事長は「これほどまでに素晴らしい京都競馬場が竣工した」などと、あいさつで感謝を述べた。

参議院議員で競馬推進議員連盟の橋本聖子会長は祝辞で、パドックなど場内施設の充実ぶりに「競馬議連の会長がこんなことを言っていいのかと思うんですけども『わ、これが競馬場!?』って思ってしまいました(笑い)。でも、これこそが私たちの目指す素晴らしい競馬場であるんだなという風に改めて思いました」と、感想を述べた。

日本騎手クラブの武豊会長は「素晴らしいですね。本当にスタンドも世界に誇れる競馬場だと思いますし、人にも馬にも優しい競馬場だと思います。いろいろ見学させてもらったけど、すごい施設だなと。我々、現場の人間はすごく動きやすくなったし、導線もすごく良くなったし、安全性も増して、快適性も増している。ファンの方にもぜひ、見に来てもらいたいですね。これだけいい舞台を用意してもらったので、あとはいいレースをするだけですね。今からワクワクします。楽しみです」と、アピールした。

902日ぶりの京都競馬再開となるグランドオープンは22日土曜。開幕から2週は事前にインターネットで指定席または入場券の予約・購入が必須となっている。30日には、3年ぶりに舞台が京都に戻るG1、天皇賞・春(芝3200メートル)が行われる。