上半期の欧州競馬を締めくくるG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(アスコット、芝2390メートル)が29日土曜に開催されます。

ここ3年は出走頭数が3頭、5頭、6頭と寂しく、盛り上がりに欠けるきらいもありましたが、今年は登録している15頭のうち9頭がG1勝ち馬という豪華版。3歳と古馬のトップが激突する王者決定戦にふさわしい顔ぶれになりそうです。

注目は何といってもディープインパクトのラストクロップで英、愛のダービーを連勝したオーギュストロダン(牡3)でしょう。

英愛ダービー馬の優勝となれば01年ガリレオ以来、実に22年ぶり。3冠馬のニジンスキーなど過去に7頭しかいない名馬中の名馬の仲間入りを果たすことになります。

前売りで人気を集めているのはこれを含めて6頭。同世代のライバルとして注目されるキングオブスティール(牡3、父ウートンバセット)は英ダービー2着後、ロイヤルアスコット開催のG2キングエドワード7世S(芝2400メートル)を完勝して対抗候補に浮上しました。

古馬では最強牝馬がうわさされる4歳馬エミリーアップジョン(父シーザスターズ)を筆頭に、当日悪化しそうな馬場状態を見越してじわじわ評価を上げているフクム(牡6、父シーザスターズ)、昨年の覇者パイルドライヴァー(牡6、父ハーバーウォッチ)。それに昨年の英ダービー馬で、前走のG3ブリガディアジェラードS(芝2000メートル)ではフクムと接戦を演じて2着のデザートクラウン(牡4、父ナサニエル)など。近年で最高の顔ぶれになることは間違いありません。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)