真夏の欧州マイル王を決める伝統のG1は、英国から参戦したインスパイラル(牝4、J&T・ゴスデン、父フランケル)が連覇を果たした。勝ちタイムは1分36秒62。前走のサセックスSはパディントン相手に最下位5着に敗れていたが、巻き返しに成功。2歳G1のフィリーズマイル、昨年のコロネーションSと合わせ、G1・4勝目となった。

今年限りでの現役引退を予定している鞍上のランフランコ・デットーリ騎手(52)はこのレース史上最多8勝目。20、21年にパレスピアーで連覇しており、自身は「ジャックルマロワ賞4連覇」となった。レース後は「泣かずにはいられない。最後のドーヴィルで勝てるなんて…」と感傷的に語り、表彰台ではフランスの伝説的名手イヴ・サンマルタンから祝福された。

仏ダービー2着馬で1番人気に推されていた地元フランスのビッグロック(牡3、C・ヘッド、父ロックオブジブラルタル)が1馬身4分の1差2着。昨年2着のライトインファントリーが3着。昨年のパリ大賞覇者で、昨秋のジャパンC7着以来だったオネスト(牡4、F・シャペ、父フランケル)が4着。ロイヤルアスコット開催のクイーンアンS覇者でG1連勝を狙ったトリプルタイムは5着だった。

レーシングポスト電子版によると、自身の8勝を振り返ったデットーリ騎手は「もちろん、(99年の)ドバイミレニアムが一番だけど、チャンピオンだけしかジャックルマロワ賞を勝つことはできません」と語っている。98年には藤沢和雄厩舎のタイキシャトルがこのレースを勝利。昨年はバスラットレオンが挑戦した(7着)。今年は日本馬の参戦がなかったため、海外馬券発売は行われていない。