ユタカの夏は、この馬で締めくくる。北海道開催ラスト重賞、札幌2歳S(G3、芝1800メートル、9月2日)の追い切りが30日、札幌、門別競馬場で行われた。1戦1勝の大器候補ガイアメンテ(牡、須貝)は武豊騎手を背に、芝で2頭併せを行い、抜群の動きを披露した。

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夏の終わりをかもし出す北都の冷風を、名手とガイアメンテが切り裂いた。同レースに出るウールデュボヌールを2馬身追いかけ、外からすぱっと併入。5ハロン65秒6-11秒4(馬なり)と楽に動いた。初陣以来の背中を感じた武豊騎手は「重厚感があって、スピードに乗っている時の走りは古馬の感じ。相変わらずいい動きだね」と称賛。須貝師も「ユタカちゃんもいい感触だったみたいだね。他とは完歩の大きさが違うね」と目を細めた。

アツい夏を駆け抜ける。鞍上は今年、北海道シリーズで重賞勝ちを含む19勝をマーク。札幌で12勝を挙げ、開催リーディング3位につける。先週のワールドオールスタージョッキーズでは連覇こそ逃したが3位と貫禄を見せた。

今週で札幌開催も最終週。「新馬戦前からいい感じだよ、と言われる馬で新馬を勝って(札幌)2歳Sに来られるのは楽しいね。初めてくらい(北海道に)フルでいたから、夏を重賞で締めくくりたいという思いはありますね」。当レースを勝てば07年オリエンタルロック以来16年ぶり。ひと夏の出会いから、スター誕生の予感がする。【桑原幹久】