レジェンド、ここにあり-。

6月10日から始まった北海道シリーズが9月3日、札幌で幕を閉じました。開催最終日に最も存在感を示したのは武豊騎手(54)。2Rを5番人気センチュリボンドで逃げ切ると、8Rは1番人気トウキチロウ、9Rすずらん賞を2番人気ドナベティ、12Rを5番人気スマートムーランでいずれも差し切り勝ち。変幻自在、貫禄の手綱さばきで、20年12月12日以来、約2年9カ月ぶりの1日4勝をマークしました。札幌で16勝を挙げ、開催リーディングでは1位横山武史騎手に6勝差の2位でフィニッシュしました。

「北海道にフルで参戦したのは初めてくらいでしたけど、初日と最終日も勝ててうれしいですね。悔しいレースもたくさんありましたけど、最終日は多くのファンの方々の前でいい形で締めくくれましたし、また来年も北海道に来たいですね」

西日が差し、心地よい風が流れる最終レースには夏の終わりを惜しむように、重賞かと思うほど多くのファンがスタンドに駆けつけていました。その高ぶりの中で武豊騎手が見事1着でゴールイン。自分も同騎手がきっかけで競馬を好きになったファンの1人として、思わず「格好いい…」と声が出てしまいました。

札幌競馬場での業務を片付け帰途に就くと、エントランス前のパネルに武豊騎手のサインを発見しました。2006年札幌記念をアドマイヤムーンで制した際の口取り写真の隣に直筆で書かれています。すぐにスマホを取り出してパシャリ。2週間の札幌出張の終わりに、思い出がまた1つ増えました。

最後に、早朝から調教の合間をぬって取材に答えていただいた関係者の皆さま、この場を借りて感謝申し上げます。懐は若干寂しくなりましたが、おいしい食事をたらふく楽しみ、充実の2週間でした。北海道の競馬ファンの皆さま、また来年お会いしましょう。【桑原幹久】