7月のG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(アスコット、芝2390メートル)で謎の10着しんがり負けを喫したオーギュストロダン(牡3、父ディープインパクト、A・オブライエン)が9日土曜のG1愛チャンピオンS(レパーズタウン、芝2000メートル)で出直しを図ります。

「キングジョージ」は最終コーナーに差しかかるあたりで、馬群から置かれはじめてスローダウン。ゆっくりとしたスピードで入線したオーギュストロダンには心房細動を含む何らかの故障が疑われましたが、検査の結果はまさかの異常なしでした。

オーギュストロダンには5月のG1英2000ギニー(ニューマーケット、芝直線1600メートル)で1番人気を裏切って先頭から22馬身も離された着外(12着)に敗れた前歴があり、違った見方をすれば馬自身が負けを悟った時点で競馬を投げてしまった疑いも捨てきれません。

今年、前述の英2000ギニーからキングオブスティール以下を一蹴した6月のG1英ダービー(エプソム、芝2410メートル)、単勝1・3倍の人気に応えた7月のG1愛ダービー(カラ、芝2400メートル)、そして「キングジョージ」という足跡をたどっていて2000メートル戦は意外にもこれが初めて。

A・オブライエン調教師は先週、今シーズンいっぱいでオーギュストロダンを引退させることを発表していますが、これは距離も含めて愛チャンピオンSでの反転攻勢の手応えをつかんでのものでしょう。

前走の印象が悪く1番人気は「キングジョージ」3着馬のキングオブスティールに譲ることになりそうですが両者の直接対決はオーギュストロダンの3戦2勝。格上であることに違いはありません。

ディープインパクトが残した最後の大物の走りに注目が集まります。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)