パンサラッサなど多くの活躍馬を担当し、9月末で定年となる池田康宏厩務員(65=矢作)が16日、最後の担当馬インヒズアイズ(牝3、矢作)を阪神12Rに送り出した。“ラストラン”は2着だった。逃げて4コーナーでは後続を突き放し、見せ場は作ったが、勝ち馬の決め手には及ばなかった。

池田厩務員はレース直後、担当馬の帰りを待ちながら「(担当馬)最初のレースも2着だったし、最後も2着だった。重賞でも2着が多かったからね。俺らしいよな。これが競馬。仕方ない。まずは無事に帰ってきてくれたらそれでいいんだよ」と、どこかさみしげな表情を浮かべていた。

愛馬を引き、厩舎地区へ帰る際に、ファンから「お疲れさま」と声をかけられ、拍手が起こった。池田厩務員は笑顔で振り返ると、右手を挙げて「ありがとう」と声援に応え、1974年(昭49)の3月から続いた49年間の厩務員生活に幕を閉じた。なお、栗東トレセンでの勤務は9月30日までとなっている。