21/22年シーズンの香港最優秀中距離馬、同4歳馬に輝いたロマンチックウォリアー(せん5、父アクラメーション)が、先週土曜(16日)、オーストラリアに到着しました。

来月7日にメルボルンのフレミントン競馬場で開催されるターンブルS(G1、芝2000メートル)、28日にムーニーバレー競馬場で行われるコックスプレート(G1、芝2040メートル)の2つに参戦するためです。

コロナ禍が落ち着いたこともあって、香港では海外遠征を敢行する馬が急増。今年だけで、のべ12頭が国外の重賞に挑戦しています。

勝ち星を挙げたのは2月にカタールに遠征し、ローカル重賞のエミールT(芝2400メートル)を制したロシアンエンペラー(せん6、父ガリレオ)だけですが、短距離戦で活躍するサイトサクセス(せん7、父マグナス)は3月のG1アルクオーツスプリントで4着し、デュークワイ(せん8、父パーインカント)もリメイクの勝ったG3コリアスプリントで4着に健闘しています。

ロマンチックウォリアーは香港で通算14戦10勝、7月に終わった昨シーズンは6戦して重賞3勝。昨年12月の香港C(G1、芝2000メートル)でダノンザキッドを4馬身半ちぎり、今年4月のクイーンエリザベス2世C(G1、芝2000メートル)ではプログノーシスを退けて中距離王をアピールしましたが、3歳年長のゴールデンシックスティには歯が立たず1月のG1スチュワーズC、2月のG1香港ゴールドCはともに2着に敗れています。

今回の遠征は、オーストラリアで活躍中で、この馬とは3度コンビを組んで、すべて勝ち星を挙げるJ・マクドナルド騎手の強い勧めによって実現したもの。現地での評価も高く、両レースともに前売りでは1番人気となっています。

香港馬による海外の2000メートル以上の国際G1制覇はヴェンジェンスオブレイン(07年ドバイシーマクラシック)、ミリタリーアタック(13年シンガポール航空国際C)、ダンエクセル(15年シンガポール航空国際C)の3頭だけ。興味深いチャレンジになりそうです。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)