新種牡馬ブリックスアンドモルタル産駒の3番人気ゴンバデカーブース(牡、堀)が、上位人気馬による直線の追い比べを2馬身差で制し、デビューから連勝で重賞初勝利を飾った。同産駒も重賞初勝利となった。勝ち時計は1分33秒4。後のG1馬を多数輩出する登竜門で、2歳戦線を大きくリードする走りを披露した。

    ◇    ◇    ◇

前評判通りの直線だった。残り300メートルの府中の直線。内からレーヴジーニアル、シュトラウス、ボンドガール、ゴンバデカーブースの人気上位4頭が1列に並んだ。でもその時間は一瞬だけだった。熾烈(しれつ)な追い比べは、200メートルのハロン棒を過ぎた頃には、外にいたゴンバデカーブースが1歩抜け出していた。文字通り世代をリードするかのごとく、上がり33秒5の末脚で全てを蹴散らした。好メンバーの一戦を制し、大器の相をうかがわせた相棒の走りに松山騎手は「あの形を差し切れた。強い馬もいたのに、最後にあれだけすごい脚を使ってくれて。強かったと思います」と脱帽した。

2戦目にして新たな一面を示した。デビュー戦は逃げ切りV。出世レースの今回は最後方の9番手で構えた。同馬を所有する(株)G1レーシングの吉田正志代表取締役は「強かったですね。こういう競馬もできることを見せてくれた。今後は相談しながらになりますが、さらに楽しみになりました。まだまだ幼さ、余力があると堀先生も言ってくれて、成長を見込める」と話す。強敵相手の出世レースを制し、今後の選択肢を大きく広げた一戦だった。【舟元祐二】

▼ゴンバデカーブース ▽父 ブリックスアンドモルタル▽母 アッフィラート(ディープインパクト)▽牡2▽馬主 (株)G1レーシング▽調教師 堀宣行(美浦)▽生産者 (有)社台コーポレーション白老ファーム(北海道白老町)▽戦績 2戦2勝▽総収得賞金 4051万5000円▽馬名の由来 イランにある完全レンガ造りの塔。母名、父名および父父名より連想