5番人気のプラダリア(牡4、池添)が接戦を制し、昨年4月の青葉賞以来となる重賞2勝目を挙げた。勝ち時計は2分25秒3。直線では2着ボッケリーニとの追い比べを首差で制した。池添謙一騎手(44)と池添学師(43)の兄弟タッグはJRA重賞3勝目。今後は海外遠征も候補に入れる。

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雨があがった淀の舞台で、プラダリアとボッケリーニが激しく火花を散らす。ゴール前でグイッと首だけ抜けたのはプラダリアだった。これが昨年4月以来の勝利。池添騎手と池添師の兄弟は堅く握手を交わして喜びを分かち合った。

池添騎手いわく「調教の動きがレースに直結するタイプ」。鞍上はレース前から具合の良さを感じ取っていた。「今週の動きも良かったし、返し馬の感じもすごくいいフットワークで、すごく状態はいいなと」。発馬を決めると逃げ馬の後ろを追走し、手応え良く直線へ向いた。内から来たボッケリーニと激しい一騎打ちに。「ボッケリーニを締めきりたかったけど、その時は向こうの方が手応えが良くて。押し込められる形で行っちゃったけど、差し返してくれて、根性のあるところを見せてくれた」。

昨年はクラシックに挑むも結果を残せず、古馬になっても重賞3着2回など勝ちきれないレースが続いていた。「このメンバーでこの結果を出せて、また上のメンバーに挑んでいけると思う」と今後の飛躍を期待。池添師も「善戦マンから脱出できてよかった」とホッとした表情を見せた。

父ディープインパクトは前日8日に、産駒のJRA勝利数でその父サンデーサイレンスを抜いて歴代1位となった。日本競馬界に輝く父の偉業に、重賞制覇で花を添えた。

今後は登録している香港ヴァーズ(12月10日)か、ジャパンC(11月26日)→有馬記念(12月24日)のどちらかに進む予定だ。まだまだ成長途上の4歳馬。「血統的にもこれから良くなりそう」と師は話す。日本で、世界で。プラダリアの快進撃はここからだ。【下村琴葉】

◆プラダリア▽父 ディープインパクト▽母 シャッセロール(クロフネ)▽牡4▽馬主 名古屋友豊(株)▽調教師 池添学(栗東)▽生産者 オリエント牧場(北海道新冠町)▽戦績 13戦3勝▽総収得賞金 1億9518万6000円▽主な勝ち鞍 22年青葉賞(G2)▽馬名の由来 草原(ポルトガル語)