海外初遠征のオオバンブルマイ(牡3、吉村)が、見事な差し切り勝ちで1着賞金525万オーストラリア・ドル(約5億円)を獲得した。最後の直線を中団で迎えると、内からスルスルと追い上げ、ゴール前で鋭く差し切った。

吉村師は「スタートはうまく出てくれました。道中の行きっぷりが悪かったというわけではないですが、少し位置取りも下がったところで、内側で包まれないかと若干不安に思いながら見ていました。しかし、最後の直線は前が開いて、コーナーをロスなくいタイトに回ってきたことで脚がたまっていた分、ゴール前きっちりかわしてくれました。オオバンブルマイ自身が一番頑張ってくれたので、感謝しかありません」と殊勲の愛馬に頭を下げた。

昨年京王杯2歳Sと今年のアーリントンCで重賞2勝の同馬は、5月のNHKマイルCでも3着に入っていた。今回は6カ月ぶりの実戦。騎乗予定だった武豊騎手が負傷のため、急きょ騎手変更となるアクシデントに見舞われたが、地元で通算1100勝以上を挙げているジョシュア・パー騎手が、見事に「代役」を果たした。直線で馬群をさばきながら、オオバンブルマイを勝利に導いた同騎手は「先行するハワイファイブオーをマークして、馬群の中団を進むという作戦通りのレースができました。思いのほかスローペースだったので、最後は瞬発力勝負になるだろうなと思っていましたが、スローペースにうまく対応していて、手応えもすごく良かったので、直線突き抜けることができました。日本からオーストラリアに遠征して挑戦するということの大変さは理解していたので、日本馬、そして日本のために勝ちたいという気持ちが強く、それが優勝という形で結果を出せたことが何より一番うれしいです」とコメントした。