「特急」トウシンマカオ(牡4、高柳瑞)が連覇を果たした。中団前方から1年前のリプレーを見るような末脚を発揮。1年ぶりとなる重賞2勝目を挙げた。テン乗りの菅原明良騎手(22=高木)は今年のJRA重賞4勝目となった。

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大外から出発進行だ。西日を背にしたトウシンマカオが、レールの上を進むようにまっすぐ伸びる。まさに快速特急。ノンストップだ。2馬身差の完勝に、菅原明騎手は左手を突き出してホームストレッチを通過した。昨年は阪神、今年は京都。まさに“京阪”で連覇を果たした。

「去年の映像をしっかり見て、いい脚を使ってくれると馬を信じていた」

初乗りでも不安はなかった。水曜の追い切りにまたがり、イメージと感触をすり合わせた。出した答えは馬任せ。発馬からほとんど手綱を動かさず、馬なりで中団前方につけた。

「馬が(レースを)よく分かってくれていると思ったので邪魔をしないように。自分が思っていたより後ろの位置取りになったけど、その分、脚がたまっていた。反応がすごく良かったし、直線を向いていい走りをしてくれた」

G3が終点ではない。今年の重賞4勝目を挙げた鞍上も「まだまだ足りない部分がたくさんある」と満足はしていない。人馬ともにG1では高い壁にはね返され続けてきた。目指すはスプリント路線の超特急。来年こそは電車道で頂点へと突き進む。【太田尚樹】

 

◆トウシンマカオ▽父 ビッグアーサー▽母 ユキノマーメイド(スペシャルウィーク)▽牡4▽馬主 (株)サトー▽調教師 高柳瑞樹(美浦)▽生産者 服部牧場(北海道新ひだか町)▽戦績 15戦5勝▽総収得賞金 1億8884万2000円▽主な勝ち鞍 22年京阪杯(G3)▽馬名の由来 冠名+地名