「いてて…。握力つえーな」。「手もすごいゴツかった。ビックリしたよ」。他紙の先輩記者たちが驚いた表情を浮かべて、つぶやきました。

 

水曜朝の美浦トレセン、チャンピオンズCでジオグリフに騎乗するウィリアム・ビュイック騎手の共同会見がありました。同騎手の今回の短期免許は先週と今週の2週間だけ。先週のジャパンCはスターズオンアースを3着に導きました。世界を股に掛ける「ゴドルフィン」の主戦騎手。会見終了後、久々の来日でしたし、いくつか聞きたいことも…。

 

ステイヤーズSのキングズレインは追い切りにまたがって、好感触。「コンデションはいいし、とてもイージーホース(乗りやすい)。前走(セントライト記念)も見ているけれど、いい競馬だったね」とニッコリ。「ステイヤーかな?」と聞くと、「イエス。距離は合っていると思う」と力強い言葉が返ってきました(有力な◎候補です)。

 

ダーレージャパンで種牡馬入りが決まったアダイヤーについては「成功してほしいね。英ダービー、キングジョージを勝っているし、ケガもあって、最後はアンラッキーな成績になってしまったけれど、素晴らしい馬です。フランケルの産駒で血統的にも魅力がありますよ」とエールを送りました。

 

88年生まれで今年35歳になったビュイック騎手。20歳で英国の見習い騎手チャンピオンに輝き、ジョン・ゴスデン厩舎の主戦騎手として、その名をとどろかせました。日本の競馬との関係でいえば、10年ドバイシーマC、ダーレミでブエナビスタを破ったレースが有名です。若い頃から来日し、エピファネイアが初黒星を喫した弥生賞に騎乗していましたし、ジャパンCや有馬記念で波乱を呼んだこともありました。

 

個人的には海外で11年前(2012年)。愛ダービー翌日のカラ競馬場、プリティーポリーS(牝馬限定G1)をイジートップで勝ったところや、13年愛チャンピオンSをザフューグで勝ったところを見てきました。ゴドルフィンの騎手になってからは、プリンスビショップで勝った15年ドバイワールドCとか、マサーで勝った18年英ダービーとか…。

 

取材終わりに自分が「来年も3年連続で(英国の)リーディングジョッキーになれるように願ってるよ」と伝えると、「ありがとう」とガッチリ握手。一緒にいた5、6人の記者、全員と握手し、笑顔で去って行きました。ここが“冒頭”の部分。海外のジョッキーを取材するときは握手をすることが多いです。もちろん、優しい手をした人もいますが、ゴッツい手で、ガチッと握ってくる人が多いイメージで、ビュイック騎手はまさにそれ、でした。

 

秋のG1シーズンも終盤戦へ…、短期免許の外国人ジョッキーがたくさん来日しています。年明けも「同時期に5人」を超える人数の申請が行われたとのこと。申請するためにはハイレベルな要件をクリアする必要があるため、当然ですが、来日するジョッキーはみな、大レースを勝った経験を持つ、名前のあるジョッキーばかりです。

 

JRA所属のジョッキーは騎乗機会を奪われることになるので、厳しい環境ですが…。そのなかでチャンスをつかみ、結果を出す中堅&若手騎手もいます。先週日曜のジャパンCデー、東京3Rはロジアデレードが単勝1・4倍の断然人気に応えて勝利しました。鞍上は野中悠太郎騎手(26=根本)。デビューからコンビを組む人馬の強さを見せてくれました。今週末もJRAのジョッキーと世界の名手の競演を楽しみたいと思います。【木南友輔】