JRAの調教師試験に女性として初めて合格した前川恭子調教助手(46)が7日、栗東トレセンで会見に出席した。

後ろで髪を束ねてスーツ姿で臨み「率直にうれしいのひとことですが、より責任ある立場になるので、身の引き締まる思いです。働きやすい厩舎をつくっていけたら」と胸の内を語った。

千葉県富里市に生まれて実家近くに牧場が多く「保育園の隣にも牧場があって、馬を見ない日がなかった」という環境で育ったという。11歳で乗馬を始め、筑波大では乗馬部に所属。北海道の牧場ビクトリーホースランチで働き、26歳でトレセンに入った。08年には担当馬ウエスタンダンサーでG3京阪杯を制した。調教師試験は5度目の挑戦で合格。家庭では現在16歳の長女も育てた。

「女性でも男性でも馬よりは力が弱いので、女性だからできない仕事では全然ないと思います。もっと女性の方に入ってきてほしいので、そういう意味でもアピールできたら。長年働く中で出産も経験して、いろいろと(女性が)仕事を続けられるこつもあるので、そういうご相談にも乗れたらと思います」

女性トレーナーの先駆けとして、使命感をにじませていた。