香港国際競走(G1、10日=シャティン)の最終追い切りが7日、シャティン競馬場で行われた。

連載「香港eye2023」では、現地で取材を行う井上力心(よしきよ)記者と、下村琴葉(ことは)記者が4頭をジャッジした。勢いある田中博厩舎のローシャムパーク(牡4)とレーベンスティール(牡3)、併せ馬で仕上げられた池江厩舎のソウルラッシュ(牡5)、ゼッフィーロ(牡4)とも仕上がりは良さそうだ。

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井上 初の香港はどう?

ことは 高層ビルがすごい…。シャティン競馬場はスタンドの雰囲気が日本の競馬場に似ていました。さて、井上さんの推し馬は?

井上 カップのローシャムパーク、ヴァーズのレーベンスティール、田中博厩舎の2頭かな。チャンピオンズCでは僚馬レモンポップが優勝したし、勢いがある。

ことは 今日の動きはどうでした?

井上 ローシャムはとにかく元気いっぱい。シャティンの芝や環境になじんでいる気がした。芝コースでラスト2ハロン23秒0。ストライドがよく伸びていたし、パワフルさもあった。穂苅助手も「状態は間違いなく良くなっている。ローシャムパークの中でもいい動きだったと思います」と好感触だったよ。

ことは レーベンスティールはいかがでした?

井上 「スクミがあったので大事を取って」とのことでAWコースでキャンター。それでも勢い良く馬場入りするしぐさを見ると、フレッシュさや一生懸命さは存分に伝わってきたし、走りのリズムも良かった。騎乗した穂苅助手も「仕上がりに関しては現時点で文句なし」と思い通りの調整を伝えていた。

ことは 私はマイルのソウルラッシュ、ヴァーズのゼッフィーロと2頭出しの池江厩舎推しです! この日は芝コースで併せ馬。最終追い切りで併せたのは日本勢で唯一でした。岩崎助手は「馬がリラックスしていたので、気持ちを乗せたかった」と意図を説明。海外でもピリピリせずに過ごせているのが何よりです。

井上 ゼッフィーロが1馬身ほど追走して併入だったね。

ことは 2頭ともラスト2ハロン23秒5。サッと流す程度でしたが、持ったままで楽に加速しました。馬体を併せてからもパワフルな脚さばき。岩崎助手はソウルについて「日本と変わらない感じでどっしりしている。行きっぷりも最後の反応も良かった」と評価。一方のゼッフィーロも最後はかわすかという勢いで状態の良さを感じました。天本助手は「抱えたままで動きは良かった。態勢は整った」と好仕上がりです。

井上 あとはレースまで無事に行ってほしいね。