日曜中山メインはクリスマスイブ決戦の有馬記念(G1、芝2500メートル、24日)が行われる。

今年、日本馬で唯一凱旋門賞(4着)に遠征したスルーセブンシーズ(牝5、尾関)を送り出すキャトッロファームの秋田博章社長(75)にグランプリへの思いを聞いた。

-今年の飛躍の要因は

秋田社長 一番は精神面の成長ですね。なかなか気性がコントロールしにくくてレースで能力を出せなかった。それが5歳になって精神面も肉体もやっと本物になってきた。

-3月の中山牝馬Sで重賞初制覇

秋田社長 中山は上手だし、あのレースを勝った時に、あっ今年の最大目標は有馬記念だなと思いました。その後、厩舎や牧場のスタッフから凱旋門賞の声が出て、検討して使うことになった。でも、中山は得意としているし、有馬記念は何としても使いたいな、と思っていました。

-凱旋門賞は4着

秋田社長 もう少しやれた。2着はあったかな、という感じで思ってます。戦前はもう少し前で運ぶプランだったが、後ろまで下がらざるを得なかった。意図したところではなかった。勝ったエースインパクトが強いのは分かっていたし、差し脚が鋭いのは分かっていた。その前にいないと勝てないですからね。(位置取りは)誤算だったけど、あの馬群を割る脚というのは見ている方にとって爽快というか、すごいインパクトを与えたと思う。

-そこも成長した点か

秋田社長 今までは馬が寄ってきたりするとひるんだりしていたのが、そこからグッと行けるようになった。これは宝塚記念の時も一緒だった。精神面は非常に成長が見られる。去年までの馬とは違う。

-父ドリームジャーニーが有馬記念を勝っている

秋田社長 ドリームジャーニーも勝っているし、その弟オルフェーヴルも勝っている。その意味でもぜひ有馬記念は使いたかったのですよ。

-凱旋門賞から帰国後の状態は

秋田社長 凱旋門賞の時は少し重いかな、太いかなという思いがあった。いつもトレセンに入るとイレ込むような馬が、(フランスでは)落ち着いちゃってカイバも完食しちゃって。弾むような調教はしていたが、もう少し絞りたいな、というところでレースを迎えた。今回、凱旋門賞から帰ってきてからいつもの体になってきた感じです。

-凱旋門賞帰りの有馬記念出走は難しさもある

秋田社長 これまでの凱旋門賞では相当悪い馬場を走って消耗した状態で帰ってきて、結果を出せなかった馬もいたかもしれないけど、今年は馬場も良かったしそういう不安は大丈夫かな。

-舞台は芝2500メートル

秋田社長 血統的には若干長い気もしますけど、なんせ凱旋門賞のあのコースで2400メートルを走っているわけですから心配はないかと。体形を見ると筋肉質。ただ、ドリームジャーニーもそうだった。よく距離が持つなと思ったけど、そういう血があの馬にも入っています。

-グランプリ男の池添騎手が手綱を取る

秋田社長 オルフェーヴルもドリームジャーニーも池添騎手が自信満々に乗ったレース。今回もそういうレースをしてくれるんじゃ、というのを期待していますよ。