海外G1・2勝を挙げたパンサラッサ(牡7、矢作)の引退式が8日、中山競馬場で行われた。当初は有馬記念前日の昨年12月23日に実施予定だったが、同馬の体調面からこの日に延期されていた。最終レース後のウイナーズサークルには多くのファンが集まり、その姿を目に焼き付けた。今後は北海道新ひだか町のアロースタッドで種牡馬になる。

同馬を管理した矢作芳人調教師(62)は同馬の手綱を引いてターフへ登場。思い出を問われ「苦労させられましたので、僕も逃げ馬が好きなので、ファンの皆さんが大逃げする度に喜んでくれるのが競馬ファンの気持ちでうれしかったです」と振り返った。

若駒時代に海外で活躍するとの見通しは「いえ、全く思っていませんでした」と素直を感触を口にし「彼はコントレイルと同期だったので、横に天才がいたものですからなかなか彼と比較するのは難しくてパンサラッサは人間で言えば努力の馬。サラブレッドの場合努力だけでは素質にかなわないですが、それを克服したのがパンサラッサだと思います」とたたえた。

種牡馬としての期待には「やはりイクイノックスの子どもを負かしてほしいです」と話し、ファンをわかせた。

19年9月デビューで通算27戦7勝(うち海外4戦2勝)。22年にドバイターフ、23年に世界最高賞金レースのサウジCを制した。国内外を合わせた通算獲得賞金は18億4466万3200円。引退戦となった昨年のジャパンC(12着)では、一時は後続を20馬身以上引き離す大逃げを打ち、個性派らしくターフを沸かせた。