勢いに乗る父の血が騒いだ! 3番人気のノーブルロジャー(牡、吉岡)が直線で突き抜けて、デビュー2連勝を飾った。勝ち時計は1分34秒5。父は昨年の朝日杯FS覇者ジャンタルマンタルと同じパレスマリス。血の勢いにも乗った。川田将雅騎手(38)はシンザン記念初勝利で、19年連続のJRA重賞制覇。年男の吉岡辰弥調教師(47)はJRA重賞3勝目で幸先よいスタートを切った。

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自慢のスピードで新春の冷たい風を切り裂いた。キャリア1戦のノーブルロジャーが馬群を突き抜けて出世レースを勝利。中団から徐々に外へ出して直線に向くと、馬場の真ん中から鋭く伸びた。川田騎手は「なかなか大変なところもありましたが、能力の高さを見せてくれたレースでした」と称賛。開幕週でもあえて外に出した鞍上の好判断も光り、デビュー2連勝だ。

勢いある血を引いている。父パレスマリスは昨春の天皇賞馬ジャスティンパレスの半兄。産駒の1頭には、朝日杯FS覇者のジャンタルマンタルがいる。同馬の背中も知る川田騎手は産駒2頭について「似ている部分も多く感じることがありますし、とてもいい種馬だと思います」と高く評価していた。

JRA重賞3勝目となった吉岡師もうれしそうな表情で、引き揚げてきた愛馬を出迎えた。「馬混みの中で我慢できたことが、最後の伸びにつながったと思う。ジョッキーも非常にうまく外に出してくれた。直線に向いた時は絶好の位置。そのあとは馬の能力だと思う」。持ち前の操作性の高さが、道中の折り合いにつながったのだろう。

そんな師は、たつ年生まれの年男。幸先よい24年のスタートとなった。「よかったです。年が明けてからふがいない内容が続いていた。今年はより内容にこだわっていきたい」と飛躍を誓う。ノーブルロジャーの今後については未定だが、「マイルくらいかな」とイメージ。まだまだ伸びしろがある3歳馬。さらなる高みを目指していく。【下村琴葉】

◆ノーブルロジャー▽父 パレスマリス▽母 ノーブルレディ(モアザンレディ)▽牡3▽馬主 (株)ノルマンディーサラブレッドレーシング▽調教師 吉岡辰弥(栗東)▽生産地 米国▽戦績 2戦2勝▽総獲得賞金 4885万1000円▽馬名の由来 気高い+人名より