感動の復活! 心房細動明けだったブローザホーン(牡5、中野)が人気を分けた4歳勢を抑え、堂々と1番人気に応えた。勝ち時計は2分23秒7。中団からしぶとく脚を伸ばして、初の重賞タイトルをゲットした。

3月の1週目を最後に定年で引退する中野栄治調教師(70)は19年函館SS(カイザーメランジェ)以来、5年ぶりのJRA重賞制覇となった。今後の路線はオーナーサイドと協議して決定される。

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まぶしい西日が差す淀の直線。たくさんの思いを背負ったブローザホーンが、小柄な馬体を目いっぱいに伸ばした。中団から上がり最速の末脚で前を行く4歳馬3頭を差し切り、重賞初制覇。3月1週目で定年を迎える中野師に、5年ぶりの重賞タイトルをプレゼントした。この日は中山に臨場していた師は「ハーツコンチェルトを目標に、せこい乗り方はせず、自信を持って乗ってこいと言った。最後に大きいところを勝つべき馬が勝ってうれしいね」と喜んだ。

前走は京都大賞典に挑戦したものの、心房細動により競走中止。賞金を加算して有馬記念に向かうプランは断念することになり、仕切り直して同じ京都での再起戦に照準を定めてきた。意図的に馬体をふっくら作る調整で、前走からプラス12キロの426キロ。師は「ふっくら作ったから、ちょうど良かった。有馬記念は結果的に使えなくて良かったかもしれないね」と過程を振り返った。

同馬は師の息子の翔助手が主に担当してきた。定年が近づく父への思いはもちろん、心房細動明けで勝利(17年紅葉S)した同馬の母オートクレールの姿も重ね「よく耐えてくれました。おやじのこともあるし、お母さんのこともあったので。すごく感動しました」と胸をなで下ろした。

前走に続くコンビだった菅原明騎手は「中野先生は最後の重賞になるかもしれなかったので、結果を出せて良かったです」と笑顔を見せた。師は「小さいけど全身ばねで、G1でも楽しみがある。G1でいいところにいける馬だと思う」とさらなる活躍を期待。ブローザホーンはたくさんの希望を背に、これからも走り続ける。【奥田隼人】

◆ブローザホーン ▽父 エピファネイア▽母 オートクレール(デュランダル)▽牡5▽馬主 岡田牧雄▽調教師 中野栄治(美浦)▽生産者 岡田スタツド(北海道新ひだか町)▽戦績 18戦6勝▽総獲得賞金 1億5641万3000円▽馬名の由来 その角笛を吹け

◆7調教師は3月5日まで免許延長 現在の日本中央競馬会競馬施行規程第50条には免許有効期間の満了日が木曜、金曜、土曜の時は最初の火曜日まで延長するとしている。JRA広報によると今年は2月29日が木曜日のため、70歳で24年2月末に定年引退となる中野師、安田隆師ら7人の調教師の免許は3月5日(火)まで延長される。そのため3月2日(土)、3日(日)に管理馬を出走させることができる。これにより福永祐一師ら8人の新規開業調教師の開業日は3月6日(水)になる。なお来月、合格が発表される新人騎手は3月第1週から騎乗が可能。