サンライズジパング(牡、音無)が直線で豪快に差し切った。勝ち時計は2分2秒8。

19年前に同じレースで後方から豪脚を披露した“あの馬”をほうふつさせるような走りだった。向正面から手が動き、3コーナーではムチが入った。位置は7頭立ての最後方。だが、直線に入り合図を受けた瞬間にギアチェンジ。飛ぶような末脚で一気に先頭へ躍り出た。

「ヒヤヒヤしたよ。道中全然進んでいかなくて、ダメかなと思った。ムチを入れてから、いい反応。ポテンシャルは高いね」

若駒S通算8勝目を飾った武豊騎手は、サンライズジパングの能力をたたえた。

若駒Sと武豊騎手と言えば、記憶に残るのが2005年のディープインパクトだ。あの時も、直線に向いた時は先頭からかなり距離を置かれた後方に位置していたが、上がり3ハロン断トツの33秒6の末脚で突き抜けた。

重馬場のこの日のサンライズジパングの上がり3ハロンは36秒1で、メンバー最速。まだまだ伝説の名馬と比べるのは酷だが、クラシックへ向けて賞金加算に成功した貴重な一戦になった。