クラシックの登竜門、きさらぎ賞(G3、芝1800メートル、2月4日=京都)で、ジャスティンアース(牡、杉山晴)が重賞初制覇に挑む。前走の未勝利戦で初勝利を挙げたばかりだが、センス抜群で将来を嘱望される好素材。所属する杉山晴厩舎は昨年の全国リーディングで、先週日曜には東西重賞ダブル制覇も達成して勢い十分。今週も目が離せない。

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気温が上がりだした火曜日の午前10時過ぎ、ジャスティンアースは坂路を弾むようなキャンターで駆け上がった。胸をしっかりと張り、高い位置から脚を振り下ろすきれいなフットワーク。担当の房野助手は「すごくバランスのいい馬で、走るのが上手」と評する。

ここまで戦ってきたレースがハイレベルだ。新馬戦(3着)で掲示板に載った5頭は、既に全馬勝ち上がり重賞で活躍した馬もいる。前走の2、4着馬も既に勝利を挙げている。そもそも、初勝利後のきさらぎ賞参戦自体が期待の表れだ。杉山晴師は「前走のレースぶりから挑戦しようと思った。まだポテンシャルだけで走っているけど少しずつ良くなっている」と期待する。

先週も師は似たようなコメントをしていた。根岸Sに出走するエンペラーワケアについて「前走が重賞でも通用すると思える内容だった」。その見立て通りに同馬は根岸Sを圧勝。その数分前にはルガルがシルクロードSを勝っており東西重賞制覇を果たした。

昨年はJRA55勝で全国リーディングに輝いた。師は「数字に固執せず、今いる馬1頭1頭をいい状態で出走させることを考えている」と話す。その技術がよほど優れているのか、今年も既に8勝。早くもリーディングのトップを走る。

そんな厩舎の次期エース候補がジャスティンアース。有望3歳馬が集うきさらぎ賞を制して、クラシック戦線へ名乗りを上げるつもりだ。【岡本光男】