クラシック戦線に新たな大物誕生! 1番人気のビザンチンドリーム(牡、坂口)が、無傷の2連勝で重賞初制覇を飾った。後方から大外を豪快に差し切った。勝ち時計は1分46秒8。

鞍上のレネ・ピーヒュレク騎手(36)は京都初勝利で、JRA重賞初制覇。坂口智康調教師(42)は22年阪神SJ(エイシンクリック)以来のJRA重賞2勝目で、平地重賞は初勝利となった。

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西日に照らされ、黄金の馬体が躍動した。ビザンチンドリームが大外から豪快に差し切った。ゴール前は3頭がまったくの横並び。写真判定の結果、2着馬を2センチ差でかわしており、大きな大きな1勝を手にした。ピーヒュレク騎手は「僕自身、負けたと思っていたので驚いています。皆さんのサポートのおかげで勝つことができました。うれしいです」と喜んだ。

大器を感じさせる走りだった。新馬戦と同様に道中は後方で待機。頭を上げて行きたがるようなところも見せたが、鞍上が懸命になだめた。「素晴らしい末脚があるのは分かっていたので、あの形で運びました」。坂の下りで大外に持ち出して直線へ。鞍上が描いた通り、上がり最速33秒7の豪脚で大接戦を制した。

鞍上は、親友からのバトンをしっかり受け継いだ。新馬戦でビザンチンに騎乗したムルザバエフ騎手は、ともにドイツでしのぎを削るライバルであり友人。騎乗が決まるとすぐに連絡し、何度も話して馬の特徴を把握した。「子どもっぽいところはあるけど、最後はいい脚を持っていると聞きました」。友人と相棒を信じた騎乗がうれしい重賞制覇につながった。

馬の今後は未定だが、無傷の2連勝でクラシック戦線が視界に入る。「まだ若さはありますが、瞬発力、脚力、闘争心はいいものがあります。賞金加算ができたのは大きいです」と坂口師。いざ春の大舞台へ。また1頭、新たな大物が誕生した。【藤本真育】

◆ビザンチンドリーム ▽父 エピファネイア▽母 ジャポニカーラ(ジャングルポケット)▽牡3▽馬主 吉田和美▽調教師 坂口智康(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 2戦2勝▽総獲得賞金 4862万円▽馬名の由来 ビザンチン帝国の夢