香港の新たなスターをあぶり出す香港4歳3冠シリーズがスタートしました。

4日(日曜)に行われた香港4歳シリーズの初戦、香港クラシックマイル(シャティン、芝1600メートル)は今シーズンより香港に拠点を移したヒュー・ボウマン騎手が乗ったヘリオスエクスプレス(せん4、父トロナド)が直線楽々抜け出して快勝。単勝1・3倍の断然人気に応えて史上3頭目の3冠馬を目指す幸先の良いスタートを切りました。

当面のライバルとみられていたヘレンフィーリングを1馬身3/4退けて3冠戦線の主役に躍り出たヘリオスエクスプレスは、オーストラリア産の去勢馬。母国でのデビュー戦を快勝してすぐに香港へ移籍。香港では昨年6月にデビューして、そのシーズン3戦2勝。昨年9月から始まった23~24年シーズンの成績を4戦3勝として香港4歳世代で最高のレーティングを得ています。

4歳シリーズは距離を徐々に延ばし、次走は3月3日に行われる芝1800メートルの香港クラシックカップ、そして同24日の香港ダービー(芝2000メートル)で3冠を終了します。

これまで3冠を達成した馬は17年のラッパードラゴンと20年ゴールデンシックスティの2頭だけ。前者は3冠馬として2走目となったG1香港チャンピオンズマイルのレース中に競走中止(安楽死処分)となって大望はかないませんでしたが、後者はご存じの通り、香港競馬史上に輝く名馬へと駆け上がっています。

香港ダービーで過去3勝のJ・サイズ調教師、オーストラリア騎手として16年ワーザー、19年フローレで香港ダービー2勝の実績を持つボウマン騎手も、まだ底を見せていないヘリオスエクスプレスの能力にすっかりほれ込んでいる様子。

昨年のヴォイッジバブル、一昨年のロマンチックウォリアーはともに2冠目を落として3冠を逸していますが、果たして今年は…。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)