1番人気クイーンズウォーク(中内田)が、未勝利勝ちから連勝で重賞初Vを果たした。勝ち時計は1分33秒1。後方から長い直線で差し切り勝ち。初の関東輸送、マイルへの距離短縮など、1度のレースで与えられた課題をこなした。川田騎手、中内田厩舎、馬主サンデーレーシングと、昨年の3冠牝馬リバティアイランドと同じチームからまた期待の素質馬が誕生だ。

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クイーンズウォークが進む道がヴィクトリーロードとなる。府中の直線で11番手から外めに持ち出しエンジン点火。そして他馬をのみ込む。長い直線には最後の関門も

あった。内からはアルセナール、外からはルージュスエルテの急襲。しかしそれにも動じず、確かな脚取りを維持してゴール板を通過した。手綱を取った川田騎手は「返し馬をいい雰囲気で終えることができたので、成長も感じましたし、自信を持ってこの競馬をしました」と力を信じていた。

半兄は20年朝日杯FSを制したグレナディアガーズ。G1馬の兄に負けじと初の関東遠征、200メートルの距離短縮などの課題をクリアした。中内田師は「グレナが引退したところでこうやって妹が出てきた。縁を感じます。マイルをこなしたのは大きい。輸送も堂々としていた。装鞍所でもパドックでも。普段はおてんばというかやんちゃですが、大事なところでぴしっとやってくれる」と良血馬の走りに笑みを浮かべた。

道はさらに開けた。師は「まずは馬の状態とオーナーサイドと相談」と次走は明言はしなかったものの、重賞タイトルを手にした3歳牝馬。自然と牝馬クラシックを意識させる存在となる。春のヒロイン候補の指針は要チェックだ。【舟元祐二】

◆クイーンズウォーク▽父 キズナ▽母 ウェイヴェルアベニュー(ハーリントン)▽牝3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 中内田充正(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 3戦2勝▽総獲得賞金 4686万2000円▽馬名の由来 ロンドンのランベスブリッジとタワーブリッジ間の遊歩道

◆クイーンC優勝馬のクラシック制覇 70年タマミ(桜花賞)、76年テイタニヤ(桜花賞、オークス)、99年ウメノファイバー(オークス)、04年ダイワエルシエーロ(オークス)の4頭がいる。