偉大な先輩に続け! 土曜阪神メインは桜花賞TRのチューリップ賞(G2、芝1600メートル、3月2日、3着までに優先出走権)が行われる。注目はデビュー2連勝のキズナ産駒ミラビリスマジック。アパパネ、アーモンドアイなど多くの名牝を育て上げた国枝厩舎の所属だ。無傷の3連勝で桜花賞の有力候補に名乗りを上げる。

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「今週は主役だから頑張ってくれよな」。馬房でリラックスするミラビリスマジックとスキンシップを取った国枝師が、優しい目で語りかけた。「(半姉の)マジックキャッスルもおとなしかったし、普段から人懐っこくて扱いやすい。こちらの方が馬格はしっかりしている。牝馬だけど気持ちにも余裕があるね」と言う通り、古馬のようなどっしりとした立ち居振る舞いが大物感を醸し出す。

昨年12月のデビューから2連勝。いずれも好位から、馬群の間を割った。勝負根性を兼ね備える。「いつも立ち回りがしっかりしてるし、センスがあるよね。いろんなことに対応できそう。輸送も大丈夫だと思う」と、信頼の厚さが確かな能力を裏付ける。

火曜朝は最終追い切りに備えて坂路を1本登坂した。美浦ウッドでの1週前追い切りは田辺騎手を背に、3頭併せの中央から余裕ある動きを見せ、反応もスムーズだった。「スッと伸びたし十分でしょう。週末も坂路で追って変わらず順調だよ。今朝もいつも通りだね」と順調そのもの。「もともと期待も大きい馬。楽しみだよ」。偉大な先輩に、1歩近づくような走りを望んでいる。【井上力心】

◆ミラビリスマジックのきょうだい 母ソーマジックは08年桜花賞3着で、産駒から3頭の重賞馬を出している。国枝厩舎所属だった半姉マジックキャッスルは21年愛知杯を制覇。大竹厩舎所属の現役馬で半兄ソーヴァリアントは21、22年のチャレンジCを連覇。音無厩舎所属の4歳馬で半姉ソーダズリングは2週前の京都牝馬Sを勝った。

◆牝馬の国枝厩舎 JRA・G1全21勝のうち16勝を牝馬で挙げている。代表馬の牝馬3冠を達成したアパパネが5勝、アーモンドアイは8勝(海外含めると9勝)。