土曜阪神メインの桜花賞トライアル、チューリップ賞(G2、芝1600メートル、3月2日、3着まで優先出走権)の最終追い切りが28日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では、栗東坂路で好時計をマークした2頭に熱視線。マイクこと藤本真育記者は朝日杯FS3着のタガノエルピーダ(斉藤崇)を、明神理浩記者は紅梅S覇者ワイドラトゥール(藤原英)を推した。

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マイク 先輩、もうすぐ3月ですよ。月日がたつのは早いですね。

明神 そうやね。ようやく厳しい寒さも緩和されてきた。財布も温まってくるはず! チューリップ賞の追い切りでよく見えた馬はいた? 

マイク タガノエルピーダです。団野騎手を背に、坂路4ハロン51秒3-12秒4の自己ベストを馬なりでマークしました。3歳未勝利のアルヒジュルに1馬身半先着。キビキビとした動きで、力強さがありました。さすが、デビュー2戦目ながら牡馬混合の朝日杯FSで3着と好走した馬。明け3歳馬らしからぬ迫力がありました。

明神 少し間隔が空いたけど、仕上がりは問題なさそう? 

マイク それは大丈夫です。2月の頭から坂路で入念に乗り込まれており、つきっきりで調教に騎乗する団野騎手も「先週は乗れませんでしたが、追うごとに良くなっています。順調に仕上がっていますよ」とうなずいていました。また、前走から2カ月ほどしかたっていませんが、斉藤崇師いわく「まだまだこれから良くなりますが、徐々に体はしっかりとしています」と成長による上積みも見込めます。ポテンシャルの高さ、将来性を考えても、桜花賞に向けて好戦必至でしょう。

明神 僕もエルピーダはよく見えた。でも、ワイドラトゥールも良かったぞ。坂路で北村友騎手を背に、馬なりで4ハロン52秒4-12秒1。時計は自己ベストタイ。体幹のブレない走りで、動きも素軽かった。

マイク 確かに!

明神 元々、前向きな気性で一生懸命走るタイプで、競走馬向きの気性をしている点がいい。藤原英師が「テンションが上がりやすいところがある」と精神面を課題に挙げていたけど、最終追い切りでは非常に落ち着いて見えた。前走の紅梅Sは出遅れながらも、直線で悠々と差し切る完勝。マイルの新馬戦も2馬身半差の快勝やったし、距離も大丈夫や。「桜花賞を見据えての競馬になる」と師が楽しみにしていたように、勝ち負けできる能力あるで。

マイク 3月といえば、ぼた餅。「棚からぼた餅」ではなく、しっかり取材して馬券を取りたいですね。

明神 僕が当てるから、2人でおいしいぼた餅でも食べに行こか!