横山武史騎手(25=鈴木伸)騎乗の1番人気トウシンマカオ(牡5、高柳瑞)が、京阪杯に続く重賞連勝でG1へ弾みをつけた。

5番手の外を追走し、直線は末脚さく裂。同タイムにひしめく2~4着馬を尻目に1馬身1/4差をつけた。勝ち時計は1分8秒0。次戦は優先出走権を得た高松宮記念(G1、芝1200メートル、3月24日=中京)。G1初制覇を狙う。

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これぞ完勝という表現がふさわしい。トウシンマカオのギアが急坂で1段上がった。追いすがる2~4着馬がさらりと引き剥がされる。横山武騎手は「馬のリズムを尊重しつつ、その中でためられればと思って、理想的な競馬ができました。素晴らしい、はじけっぷりでした」と振り返る。病気の菅原明騎手から急きょ渡ってきた手綱。「最低限の仕事はできたのかな」。初中山を思わせない好発から5番手に導き、爽快な末脚を引き出した。

昨秋の京阪杯連覇に続く、重賞連勝だ。今年初戦は良化の余地を残した実戦でもあった。週明け時点で馬体重は前走比18キロ増の486キロ。当日の馬体重も同480キロとまだ緩さを残す状況ではあった。高柳瑞師は「成長分もありますが、それでもゆとりはありました。その中で勝てたのはよかったです。成長はしていると思います」と心身の上積みを予感する。

勢いを保って2度目の高松宮記念に臨む。高柳瑞樹師は「そこを目指していきます」と参戦を明言した。ピンチヒッターを務めた鞍上も「能力はG1でもやれると思います。さらに良くなると思う」とエールを送った。昨年は不良馬場に泣き15着に終わったが、充実を示す今ならビッグタイトルをより強く意識できる。【松田直樹】

◆トウシンマカオ ▽父 ビッグアーサー▽母 ユキノマーメイド(スペシャルウィーク)▽牡5▽馬主 (株)サトー▽調教師 高柳瑞樹(美浦)▽生産者 服部牧場(北海道新ひだか町)▽戦績 16戦6勝▽総獲得賞金 2億3240万9000円▽主な勝ち鞍 22、23年京阪杯(G3)▽馬名の由来 冠名+地名。

◆オーシャンS勝ち馬の同年高松宮記念優勝 02年に美浦・大久保洋吉厩舎(引退)のショウナンカンプ(当時のオーシャンSはオープン特別)、10年に美浦・堀厩舎のキンシャサノキセキが制している。