名門厩舎のスター候補が、いざクラシックへ。ミスタージーティー(牡、矢作)が、ゴール前に抜け出し、4月14日中山の皐月賞(G1、芝2000メートル)切符を手にした。前残りの馬場傾向を読んだ藤岡佑介騎手(38)が、勝利へと導いた。2着は僚馬ホウオウプロサンゲ。矢作厩舎は弥生賞2着のシンエンペラーを含む3頭が、牡馬クラシック1冠目の優先出走権を手にした。

鞍上の予感とぴったりハマった。開幕4週目の阪神芝はまだまだ前残りの傾向。「先行できるかどうかだと思っていた。先行できた点でいい勝負ができるなと」。藤岡佑騎手がそう見込んだ展開となった。

ミスタージーティーは発馬を決め、インの4番手から追走。逃げていた僚馬ホウオウプロサンゲに、残り200メートル付近で並びかけ、きっちりと差し切った。「抜けだしてからも余裕があったし、馬体に成長の余地を残した中でもいいパフォーマンスができた。落ち着いてレースに向かえたのもよかった」。初タッグを組んだ相棒をたたえた。

バースデーの前祝いにも成功した。きょう17日に38歳となる藤岡佑騎手は、土曜は8鞍で4勝。2月フェブラリーSを制し、先週フィリーズレビューも勝利。最高の流れに「いい馬にたくさん乗せてもらっている」と笑みを浮かべた。「ミスタージーティーはすごく魅力的な馬。まだ伸びしろがある」。皐月賞切符をつかんだ新星の将来も楽しみにしていた。【下村琴葉】