13日に行われる中山グランドジャンプ(J・G1、芝4250メートル=中山)で、大本命マイネルグロン(牡6、青木)に騎乗する石神深一騎手(41)が、相棒に最大級の賛辞を贈った。もしオジュウチョウサンがいたら、勝負になりますか? この妄想にまみれた質問に、こう答えてくれた。

「オジュウと走っても面白いと思いますよ。もしそんな状況になったら、どっちに乗るか選べない。それぐらいのレベルにある馬です」

障害G1を実に9勝した歴史的名馬オジュウチョウサンとも互角に戦えるほど「モノが違う」という。

3走前からコンビを組んで重賞3連勝。東京ハイジャンプ2馬身半差、中山大障害10馬身差、阪神スプリングジャンプ7馬身差と圧倒した。

「余裕がないと、あれだけの差はつけられない。心臓が強い。それにメンタルも強い。心とスタミナですね。その2つがそろっていないと4000メートルを走り切れない。飛越も安心できる」。

心技体なら「心」は強いメンタル、「技」は飛越のうまさ、そして「体」は心臓の強さということになろう。3拍子そろっているからこそ、過酷な条件になるほど他馬との差が開く。大竹柵、大土塁、谷深いバンケットが待ち受ける国内で一番長い4250メートルの舞台こそ、王者が輝くに相応しい。

主戦を務めたオジュウチョウサンの引退と入れ替わるように現れた大物に「ぬいぐるみが出るくらいスター街道を歩んでほしい」と願った。【岡山俊明】