米国3冠競走の幕開けとなるG1ケンタッキーダービー(ダート2000メートル、5月4日=チャーチルダウンズ)は今年、ファンに向けて新たな試みとして本番の1週前の土曜日(4月27日)に枠順抽選と発表を行うことを決めています。

日本での馬券発売の有無はまだ明らかではありませんが、フルゲート20頭の枠順は時差のある日本でも翌日曜には知ることが出来て、じっくり腰を据えた予想が出来そうです。

ケンタッキーダービーの枠順発表は21年までレース開催週の火曜(日本では水曜)、一昨年の22年からは月曜(同火曜)に行われていましたが、枠順決定を早めたことで米国内の馬券売り上げが増えていることを受けて、主催者側が早期の確定を決定。これと同時に今年からはすべての出走予定馬も本番1週前の土曜日までには舞台となるチャーチルダウンズ競馬場に到着することが義務づけられています。

その年の最強3歳馬を決めるケンタッキーダービーには米国の各地(今年は日本からも)から馬が集まるため、追い切りもそれぞれの本拠地でまちまちに行われていて、ともするとブラックボックス化していましたが、1週前に全馬が一堂に会することによって、個々の馬の動きもつかみやすくなりそうです。

今年の3冠競走にはもうひとつの変更があります。3冠最終戦のベルモントS(6月8日・土曜)が行われていたニューヨークのベルモントパーク競馬場が改修工事で閉鎖中のため、今年は同州郊外のサラトガ競馬場に場所を替え、コース形態の違いから距離も2400メートルから2000メートルに短縮されることになっています。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)