覚悟の攻めでした。

春のジャンプG1の中山グランドJはエコロデュエル(牡6、岩戸)が制しました。鞍上の草野太郎騎手(36)はG1初制覇。レース後は検量室で「太郎おめでとう!」の大合唱。あらゆる関係者から祝福の言葉をかけられていました。

表彰式終了後、12R前のやや落ち着いた検量室前で、草野騎手がレースを振り返ってくれました。

「この馬は毎回頑張っているんですけど、セーブをかけているようで、空っぽまで出し切ったことがなかったんです。ただ、後ろから差しきられたこともないんですよ。前を追いかけて先に気持ちが切れることがあっても、差しきられたことはないので、どこのポジションからでも外回りに入る時には先頭に立とうと決めていました。そこから落馬しようが、ケツまで下がろうが構わないという気持ちで乗りました」

映像で振り返ると、外回りの入り口から逃げるジューンベロシティでマッチレースを繰り広げ、3番手以下とは大きく差が広がっています。

「ジューンベロシティも張ってきたので、周りから見たらおかしいだろ、という感じの仕掛けになってましたね。いやいや、俺もどこまでも行くからねって気持ちでしたよ。普通なら2頭とも下がっていきますけど、2頭とも強いです」

エコロデュエルは気を抜き、1頭では走り切れない面が課題でした。

「ジューンベロシティには申し訳ない競馬になりましたけど、正直1頭いてくれて助かりました。エコロデュエルが1頭であそこまで走れたかと言われれば分からないですね。あの馬がいたからこそ出し切れたと思いますし、最後に他馬がもう1回来ても反応できたと思います」

レース直前の対策も効果がありました。

「先生と相談して、ゲート裏で初めてメンコを外しました。馬具をいろいろ着けようかとも話しましたが、メンコを外した効果もありましたね。やっとちゃんと競馬をしてくれました。お釣りなしで出し切ってくれました。逃げなきゃいけないわけではないので、これからも頑張ってほしいです」

取材後も「最後はひやっとしたよ!」「おめでとう!」とお祝いが止まりません。ファンの心をつかむ走りを見せてくれたエコロデュエルと草野騎手のコンビに、今後も注目です。【桑原幹久】