<ダービー>◇31日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳牡牝◇出走18頭
1番人気ロブチェン(牡、杉山晴)が接戦をものにして2冠制覇を達成した。松山弘平騎手(36)は、11度目の挑戦でダービージョッキーの称号を手にした。
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「松山をダービージョッキーにしてあげたい」。ロブチェンと松山騎手が皐月賞を優勝した翌日、担当の房野助手は一夜明け取材でそう語った。5月31日、言葉は現実となった。ゴール前で劇的な差し切り勝ち。房野助手は引き揚げてきたロブチェンを抱きしめた。
担当馬をG1馬にするために-。房野助手の原点にあるのは、福島信晴厩舎時代に担当していたナムラクレセントだ。11年阪神大賞典の優勝馬。08年菊花賞3着、11年天皇賞・春3着とG1制覇にはあと1歩届かなかった。「あの時、勝たせてあげられなかったのは自分が力不足だったから」。その無力感を行動に移した。
競走馬の調教で大事なことは、人が馬を確実に御すこと。馬のパワーに負けない体づくりに励んだ。理想的な馬の立ち方、走るフォーム、動かし方。全てを理論的に落とし込み、調教で実践した。5月29日、栗東での最終調整の日は自らまたがり、坂路を1本。馬が首を下げてたんたんと登坂していた。その姿はハミを正しく受けている証拠。房野助手は「47年間の集大成です(笑い)」と満足げだった。そして、ダービー優勝という結果。十数年前の悔しさが、栄光につながった。
この中間は報道陣が厩舎に殺到するなかでも「いつもより来る人が多いなぁくらい。楽しみたい」と平常心だった房野助手。ロブチェンを本命にした人は大声で叫んだであろうゴール前。どんな様子で見ていたのか、早く聞いてみたい。【下村琴葉】

