千葉・富津市で市観光協会が主催した投げ釣りイベント「ちょい投げ房総族」が8、9日、市内の下洲海岸で実施され、62人が参加した。参加者のほとんどが釣り初体験。参加者の最年少は4歳で、千葉県内だけではなく、東京、茨城、神奈川、埼玉の1都3県からは半数以上の35人だった。

会場は砂浜。シロギス、メゴチ、コバンアジ、コトヒキなどが釣れていた。袖ケ浦市から来た女性は「砂浜で釣りができるとは思っていなかった。えい、やっと声を出して投げるのはそれだけでも楽しい」とニコニコだった。講師を務めたプロ釣り師の林賢治さんは「いろいろな釣りイベントに関わってきたけど、こんなに初心者が集まって、すぐに魚が釣れる経験をしている現場は珍しい。もっとちょい投げ釣りを広めていきたいですね」と参加者の上達ぶりに驚いていた。

市観光協会では参加者に市内の飲食店で使える500円のクーポン券とガイドマップを配布。イベント終了後に使用したグループもあり、イベントを実施したことで地元の経済効果にも結びついた。イベント初日の8日に訪れた高橋恭市富津市長(52)は「みなさんの楽しむ姿をみてちょい投げ釣りはあらためて富津の看板になると思った。富津で釣りをして、終わったあとは富津でおいしい食事をして満喫していただきたい」と語った。

イベント後は「来たときよりもきれいにして砂浜を返そう」と“合言葉”に従って参加者の海岸清掃が行われ2日間で多くのゴミが回収された。イベントに2日間同行した海洋環境専門家の木村尚さんは「行政も本気になって観光の釣りと海岸清掃に取り組んで、さらに地元の飲食店利用にも結びつく。とっても素晴らしい内容だったと思います」と笑顔をみせていた。