モデルでツリジョの“つーちゃん”こと利水つばさが、千葉・千葉寒川「小峯丸」(小峯雄大船主=40)で、釣り人生初となるルアーサワラに挑戦した。小峯丸自体も、この日が今季初出船。まだまだシーズン開幕直後とあって、船で型を見られればOKの雰囲気だったがラスト10分に、ドラマが待っていた。

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シーズン開幕直後のこの時季はベイト(餌)となる魚が小さいことから、ルアーは「ブレードジグ」を使用。いわゆる“ブレードゲーム”と呼ばれるものだ。もともとシイラ釣りが大好きなつーちゃんにとって、キャスティング自体は問題なし。翔太船長(37)に釣り方を教わるとポイントは2つ。「着底したらとにかく高速ただ巻き」「アタリがあっても合わせない」だった。

キャスティングからの高速ただ巻きを繰り返すつーちゃんにガツンとしたアタリが発生。「何か来た」。海面に姿を見せたのはタチウオだったが、取り込む際にバレた。「タチウオが食って来るということは、巻くスピードが遅い。もっと速く巻いてください」。翔太船長からのゲキが飛ぶ。

船全体としては、サワラらしきアタリはあるが掛けきれなかったり、掛けても海面でバレたりのシーンもあった。小峯丸にとって今季初となる本命が上がったのは正午。実に出港から約6時間後だった。その約20分後には、この日最大3キロも上がった。

ジリジリとした日差しでつーちゃんの体力はそぎ落とされているはずだが、黙々と投げ続けた。沖あがり予定時間は午後2時30分だったが、その約15分前。実に7時間以上投げ続けたつーちゃんに待望のアタリ。「今、当たった。今日イチの大きさ」。つーちゃんの目が輝く。そのアタリから約5分後。最後の体力を振り絞り、高速で巻いたルアーについに本命がヒット。「すごい引き!」。翔太船長のタモ入れで2キロをゲットするとハイタッチを交わした。ヒットルアーは翔太船長から託されたメタルマジック(40グラム)で、色はアカキンだった。

「潮の流れが速くなりなかなか着底しなくなっていたので、それまでの15カウントを30カウントにして、腕がちぎれてもいいくらいの気持ちで巻いた。そうしたら半分ぐらいで来ました。“合わせない”を意識しつつも“しっかり針が掛かるように”は意識しました」と振り返った。

教えられた釣り方を自分なりにかみ砕き、納得してから利水流に昇華することから「後半のつーちゃん」を自称。今回まさにその通りで貴重な、そして思い出となる1匹となった。【川田和博】

■翔太船長アドバイス

「ルアーサワラはとにかく『高速ただ巻き』と『合わせない』ことに尽きる」と翔太船長。「サワラは移動が速いので、思っている以上に高速で巻いてください」。これでゲストのアタリも避けられる。また、「合わせないことでカンヌキ(口の横の硬い部分)にフックしやすくなります」。合わせると口切れにもつながる。掛かってからは「ポンピングはしない」「サオは立てない」「海面で最後のひと暴れがあるのが、これをサオでいなそうとしない」ことが重要。なお、ドラグ設定は「最初は4~5キロと強めで、手元まで来たら少し緩めるといい」。

「結果的に船中4匹でしたが、アタリはかなりあったので今後が楽しみ」と翔太船長。実際、取材翌日は船中18匹だった。ブレードゲームは10月下旬くらいまで楽しめると予測。その後は「ベイトが大きくなって湾奥にも入って来るので、近場でミノーでも楽しめるはず。これはこれで楽しい釣りになります」。

■ルアーは何個あればいい?

小峯丸ではリーダーにワイヤの使用は禁止。これは「オマツリの際、相手へのダメージが大きい」ため。リーダーは「少し伸びてくれるナイロンがいい。フロロは感度がいいけど切れやすい」。初心者の不安は「ルアーを何個用意すればいいの?」だろう。翔太船長は「サワラは歯が鋭く、リーダーから切られてロストすることもあるので、4~5個あるといい」。

▼千葉寒川「小峯丸」【電話】043・222・6557。集合5時30分、氷付き9000円。現在、タチウオ、シーバスも受け付け中。※詳細は電話でご確認を。