いびきの音は鼻か喉から発生しています。下鼻道という、いわゆる鼻から空気を吸ったりはいたりする空気の通り道が狭くなって、空気が出入りするときに出る音が鼻いびきです。

鼻いびきの原因となる鼻道の狭窄(きょうさく)である鼻づまりは、花粉症等のアレルギー症状や風邪や炎症による粘膜の腫れ、日本人に多い鼻中隔湾曲症という鼻の中心の骨が曲がっていることが原因です。鼻中隔湾曲症の原因は、幼児期のおんぶで鼻をぶつけることが多くの原因になっているという話もあり、現在のおんぶは顔を後ろ向きにするとか、おんぶではなく抱っこひもを使用する親御さんが増えています。

治療に関してですが、風邪や炎症は投薬で治療が可能です。花粉症等のアレルギーに関しては、根治療法としては舌下免疫療法で数年かけて体質改善を行うしかありませんが、対症療法としてはレーザーを使った日帰り治療が保険適用で可能です。

レーザー日帰り治療では、麻酔薬を含ませたガーゼを詰めたり、スプレーによる局所麻酔を行った後に、症状のある粘膜を症状に応じてレーザーで焼灼(しょうしゃく)、凝固します。

治療後にレーザー治療を行った粘膜はかさぶたとなります。1週間程度でかさぶたが自然に取れれば治療が完了です。かさぶたは無理にはがすと出血の原因となるので絶対に無理にはがしてはいけません。

次回はレーザー治療でなぜ鼻のアレルギー反応が低減するのかについて説明します。スギ、ヒノキ、ハウスダスト等いろいろなアレルギーで日々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)が低くなってしまっている方にお勧めできる治療です。

◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。