<都市対抗野球:七十七銀行7-5JR東日本東北>◇1日◇決勝◇名取スポーツパーク愛島球場

 “アニキ”の一撃が実った。七十七銀行が7-5でJR東日本東北を下し、2年ぶり3度目の優勝を果たした。チーム最年長の高橋利信三塁手(34=東北学院大)が5回に2ラン。7回に追いつかれたが、ベテランの奮起に刺激されたナインは、延長戦の激闘を制した。27日開幕の2次予選東北大会(秋田)で、3年連続の本戦出場を目指す。

 ベンチのナインが絶叫した。3-2で迎えた5回2死一塁。高橋が振り抜いた打球は、左翼フェンスを軽々と越えた。大黒柱の1発に、後輩たちも大興奮。7回にリリーフ陣が崩れて5-5の同点に追いつかれたが、延長10回に古川洋平右翼手(29=八戸大)の適時打などで勝ち越した。村瀬公三監督(41)も「利信が火をつけてくれた」と、高橋のアーチを評価した。

 「JRさんは長年のライバルなので、力が入りますよ」と高橋。入行13年目の右の長距離砲は、06年にはTDK(秋田)の補強選手として都市対抗に出場し、3番を任され全国制覇に貢献した。今年2月、そのTDKが経営難によりTDK千曲川(長野)野球部と統合。高橋は「野球ができるだけでもありがたい。おれは34歳になっても野球をやらせてもらえている」と、日本一の喜びを分かち合った「元僚友」たちを励ました。

 この日の準決勝でもスタメン出場した高橋は「疲れていたら、辞めていますよ」とタフネスぶりをアピールした。次は、本戦出場をかけた2次予選に挑む。「このチームで日本一を味わいたい」。頼もしい大砲が、栄冠をもたらす。【由本裕貴】