<横浜4-2ヤクルト>◇29日◇横浜

 横浜内川聖一外野手(26)が初のタイトル獲得へまっしぐらだ。0-1の初回1死三塁でヤクルト川島亮から同点打を放つと、3回、5回と3打数連続安打。前日28日の巨人戦での4安打とあわせ、7打数連続安打を記録。リーグトップの打率は3割7分5厘まで跳ね上がった。

 塁に立つ姿は自信にあふれていた。「先に取られた後だから僕が返すことで石川の三塁打も生きる」。先制された直後の同点打。勝ち越されたあとの3回は右前打し、佐伯の同点打につなげた。どんな状況でも集中を切らさない。「切れるのは簡単。あきらめるぐらいなら試合放棄したほうがいい」。この気持ちがチーム勝率(3割5分2厘)を超える打率を支えている。

 今年はサッカーやバレーなど他のスポーツも観戦するようになった。「気持ちに余裕が出てきたのかな。他の選手がカクテル光線の中、プレーするのを見て、自分はどう見えているんだろうと思うんです」。充実した日々が、プロとして魅せる意識を高めている。

 今季140安打とし、リーグ最多の広島栗原に6本差に迫った。首位打者とのダブル受賞もあり得る。「チャンスがあれば挑戦したい。でも、どういう展開になるかは分からない。1打席1打席、大事にしながらです」。貪欲(どんよく)に、だが謙虚に。ハマのヒットマンは打ち続ける。【古川真弥】